【特集】中国美容事情(4)~「買った」商品、ファンの多い地域をさぐる~
中国の美容事情にせまる特集第四編、「買った」と書き込まれている商品のユーザー居住地と、美容に係る複数のワードから、それぞれの「美容」関連アイテム、ケアへの関心に地域別特性があるか探りました。
「買った」アイテム、地域別傾向は?
「買った」商品(スキンケア用品)を書き込んだユーザーの居住地別上位5都市について、その都市名と商品別書き込み全体における上位5都市の比率についても調査しました。それぞれの上位5都市が占める割合は28.5%~42.1%でした。
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「買った」書き込み上位ユーザー都市分析
「買った」のTOP10商品の書き込み件数上位5都市へのランクイン回数は「上海(10)」「広東省(7)」「北京市(6)」「山東省(4)」「江蘇省(4)」「浙江省、福建省、河北省、河南省(各3)」「湖南、湖北、吉林、安徽、天津(各1)」となっています。※カッコ内はランクイン回数
すべての商品に「上海市」「広東省」が表れている状況ですが、「北京市」が上位都市に含まれないアイテムもあります。具体的には、「スクワクレンジングオイル」「マナラホットクレンジングゲル」「肌美精大人のニキビ対策」の上位5都市には北京市が含まれていませんでした。
一因として、北京は内陸の都市であり非常に乾燥していることから、肌の脂を取り去るようなクレンジングには食指が動かなかったり、脂性肌に起因するニキビになることが少なかったりすることが考えられるのではないでしょうか。ただし、スクワクレンジングには湖北省が、肌美精には河北省がランクインしており、これら2都市は内陸の都市ではあるので、乾燥以外にも北京のユーザーが関心を引かれていない理由があるかもしれません。
上位5都市のシェアが高いのは「ハイピッチ ディープクレンジングオイルW」(黒龍堂化粧品)42.1%、「プレミアムプレサ ゴールデンジュレマスク ヒアルロン酸」(ウテナ)41.2%です。クレンジングオイルには山東省と福建省が、フェイシャルシート(マスク)には山東省、河南省、吉林省が入っています。特定都市のシェアが高いという点で、固定ファンが多そうな商品だと考えられそうですが、そのような商品に江蘇省や浙江省といったほかの商品に多くランクインしている上海近郊の都市が入っていないのは特徴的です。一つの仮説ですが、上海を含む長江デルタ地域は所得の高い層が多いことから、基礎化粧品の購入に際しては日本以外のブランドも検討し購入していることが、この結果に影響しているのかもしれません。
新浪微博で「美容」関連のワードを検索、各種ケアへの関心度合を探る
続いて、「スキンケア・基礎化粧品」に関連するワード「美白」「保湿」「洗顔」新浪微博の微博指数を見てみました。
調査概要
調査日程:2017年7月11日
対象SNS:新浪微博
調査方法:微博指数を用いて、一か月間の指数の変動と各ワードに注目している地域ランキングを確認
「保湿」「美白」「洗顔」の順に関心が高いことがわかりますが、7月に入ってから美白に関心が高まっており、反対に保湿が下降傾向にあることがわかります。
そして、同じくこの一か月間の「スキンケア用品」「化粧水」、そして検索エンジン「百度」の指数検索機能を用いて調べたところ、この一年で媒体指数の上昇が見られた「脱毛」を加えた3つのキーワードについて、微博指数を比べてみた結果が以下です。
調査概要
・上記と同じ
10年ほど前には、中国では「脱毛」は注意を払われない存在でしたが、この結果からは今は「化粧水」と同じかそれ以上に注意を払われていることがわかります。
それでは、ここまで微博指数でみてきた6つののワードへの関心の高い地域はどこでしょうか? 続く記事で確認したいと思います。
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