【特集】キャッシュレス時代を読み解く!中国モバイル決済基礎&最新事情(4) ~節約に関心の〇〇省、百度の検索指数から見える経済意識~
ここまで「キャッシュレス」からさらに進歩した消費の形態「無人コンビニ」についてみてきました。
キャッシュレス時代を読み解く!中国モバイル決済基礎&最新事情(1) ~2017年第一四半期のマーケット規模~
キャッシュレス時代を読み解く!中国モバイル決済基礎&最新事情(2) ~いまさら聞けないWeChatPay&アリペイの仕組み~
キャッシュレス時代を読み解く!中国モバイル決済基礎&最新事情(3) ~キャッシュレスが生み出す新たな店舗の形~
本編では資産や消費に対する中国人消費者の意識を探るため、「百度指数」を用いて、資産や消費に関するキーワードの検索指数から、地域や年代の傾向を探りたいと思います。
調査日:2017年7月27日
対象期間:30日間
お金の使い方
「百度指数」を用いて、「貯金」「資産運用」「不動産」、「節約」「買い物」「旅行」、「車」「家」「別荘」、「グルメ」「ファッション」「時計」のキーワードについてこの一か月の検索指数のデータを見てみました。「百度指数」では、それぞれの指数の大小はもちろん、地域別の指数の順列を知ることができます。
「貯金」「資産運用」「不動産」
まずは「貯金」「資産運用」「不動産」の3点の指数の結果です。
青:貯金 緑:資産運用 オレンジ:不動産(以下同じ)
「資産運用」の数値がとびぬけて高くなっています。関連キーワードには「資産運用商品ランキング」や「資産運用豆知識」といった語がならび、実際に手を伸ばすために検討している姿が目に浮かぶようです。
最も指数の大きい「資産運用」の指数をもとに地域別ランキングを作成すると、1位広東省、2位浙江省、3位北京市、4位江蘇省、5位上海市、6位山東省、7位福建省、8位四川省、9位湖北省、10位河南省となりました。
地図上、緑色の濃い部分が「資産運用」検索指数の高い地域。
年代別関心を見てみると、どのキーワードに関しても30代が約半分とボリュームゾーンになっています。
男女別では「不動産」にのみ男女差が現れ、男性が過半数を超える結果となっていました。
「節約」「ショッピング」「旅行」
続いて「節約」「ショッピング」「旅行」を見てみます。
青:節約 緑:ショッピング オレンジ:旅行(以下同じ)
「旅行」が圧倒的に多く、「節約」は最も低くなっています。ちなみに今回調べた百度指数のうち最も低い指数は「貯金」の282、続くワースト2は「節約」の408でした。そのほかの指数は数千~1万程度となっており、中国ではお金の節約やため方には関心が低いのかもしれません。
続いて地域別に関心の高さを見てみます。
地図上、オレンジ色の濃い部分が「旅行」検索指数の高い地域。
やはり広東省、北京市、長江デルタ地域(上海市、江蘇省、浙江省)と並びますが、「節約」ではそのほかのキーワードでは8~10位に表れていた「福建省」が5位となっています。また福建省は「旅行」のキーワードでは14位と、TOP10にランクインしませんでした。商人である客家も多い福建省では、経済意識が高いのかもしれません。また仮説ですが、台湾の向かいに位置するリゾート地であり、どこかほかの地に旅行へ行くという動機づけが弱いということも考えられるのではないでしょうか。
男女別では「ショッピング」で意外にも男性が50%を超えるという結果になりました。
▼残る「車」「家」「別荘」、「グルメ」「ファッション」「時計」についてはこちら
キャッシュレス時代を読み解く!中国モバイル決済基礎&最新事情(5) ~高額商品やトレンドの「美食」 消費の主体は30代~