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【セミナーレポート】China Beauty(4) ~リピート購入と「極上の」クチコミを招くサンプリング~

(3)では「抹茶美粧」を例に、美容製品の購入における「アプリ」の位置づけをユーザーデータと合わせて解説してきました。

KOLによるプロモーションが、「美容製品」の分野でなぜ成功を手にすることができるのかという点は、KOLが「個性をもったSNSユーザー」であるととらえることで、理解できたのではないかと思います。

それでは、そんなプロモーションの要ともいえるKOLはどこから探せばいいのでしょうか?

 

自社にとって「ベスト」なKOLはどこで探せるか?

セミナー当日は特別ゲストとして、ルーハン・ホールディングスの代表にもご挨拶いただきました。同社はKOLを発掘・育成し、様々な動画コンテンツへの出演をアレンジしています。

阿里巴巴(Alibaba)の出資を受け、新浪微博と戦略的提携を結び、2016年の取引総額は11億元(180億円)以上となっています。契約KOLによる取引額も中国最大級となっており、中国でのKOLプロモーション、オンラインでの商品販売におけるリーディングカンパニーです。

2016年、中国国内で最も人気の高いKOLの1人である張大奕(Zhang Dayi)を出演させたプロモーションでは、彼女のプロデュースしたオリジナルコスメ(口紅)が、ECサイト、動画でのプロモーションによって、発売開始から約2時間で2万個を完売しました。人気KOL出演のプロモーション効果は、拡散力と共に即時性をも持っています。

こういった良質なエージェントを見つけ出すことが、自社にとってベストなKOLと出会う第一歩です。

中国国内で最も人気の高いKOL張大奕を出演させた本人プロデュースオリジナルコスメのプロモーション

張大奕(Zhang Dayi)オリジナルコスメの口紅を紹介する本人のコンテンツ。2時間で2万個を完売した。

「淘宝」と提携し、美容のマーケティングサイクルを実現

今、中国でのインターネット上の商品プロモーションは、動画が主流となっています。「淘宝」が、2017年、今までのECプラットフォームとしての在り方から、総合的消費者向けプラットフォームへシフトしたことも、この潮流を汲んでのことです。

総合的消費者向けプラットフォームでは、サイト内の動画コンテンツから店舗へと閲覧者を誘導することができます。「抹茶美粧」も、「淘宝」の戦略パートナーとして、これまでに1,000本以上の美容関連動画を制作・提供してきました。

「抹茶美粧」の動画は商品購入への誘導効果が高く、PV数の増加だけでなく、売り上げの向上にも貢献しています。現在も淘宝サイト内の7つのチャネルに、毎月200本以上の動画コンテンツを提供しており、これは、淘宝の美容・ファッションジャンル動画の20~30%を占めています。

この業務提携によって、「抹茶美粧」においては、下図にあるような美容に関するマーケティングサイクルが確立されました。

 

美容に関するマーケティングサイクル図

 

「抹茶美容」アプリ内の「摩卡動画」やコミュニティーキャンペーンを発信、施行することでクチコミ評価を生み出し、新浪微博や微信、美拍などの提携SNS、動画出演KOLの公式アカウントなどでコンテンツ自体の拡散を実現します。

さらに、コンテンツに興味を持った消費者を淘宝の店舗へ誘導することにより実際の消費に結びつけます。その後、購入者によるクチコミが再びアプリ上に現れる可能性も、期待できます。

リアルも大事に! セレクトビューティーボックス「美粧情書」

「抹茶美粧」が届ける情報は、アプリ上だけではありません。オフラインでの活動も、同様に重視しています。ファッションイベントに美容用品のPRブースを出店したり、ドラッグストア屈臣氏(Watsons)とのコラボイベントを開催したりといった実績があります。

 

サンプリング施策

その中で、オフライン施策としてユーザーから人気の高いプロモーション施策「美粧情書」です。

美容用品ブランドのサンプル商品を5種類ほど詰め合わせにして、ひとつのギフトボックスとして「抹茶美粧」ユーザーに購入してもらい、その商品の使用感やクチコミをアプリ内に投稿してもらうサービス(サンプリング)です。タイミングとしては、新商品発売時や、商品プロモーション時期に導入されます。

非常に安価(500円程度)で購入できること、ユーザーが手軽に新商品を試せることを理由に、非常に関心を集めやすいキャンペーン施策となっています。このため、広告インプレッション数は平均して800万impを稼いでおり、商品そのものの認知度向上にも貢献しています。

一回につき8,000~20,000セット、「美粧情書」として商品が用意されますが、なんと平均2日間で完売します。一番早いもので、募集開始からわずか6分で完売した実績もあり、非常にユーザーからの関心が高いことが分かります。

「美粧情書」の中にクーポン券を同梱し、実店舗での購入を促すもの、またクチコミの投稿に対してネットクーポンなどを付けてアンケート回答率を高めるという工夫も可能です。

「美粧情書」は、リピート率の高さも特徴です。ボックスそのものを各商品の展開ごとに購入するリピーターももちろん多くいますが、「美粧情書」で購入したサンプルをきっかけに、実際の商品を店舗やECサイトで購入するという「リピーター」も、平均して10%のユーザーに見られます。

 

サンプルが生み出す「極上の」クチコミ

中国の消費者にとって、クチコミの参照、サンプルの体験は購入を左右する重要な要因です。

ここまで見てきたように「抹茶美粧」はSNS的なコニュニティサイトとしての機能を有しているため、クチコミの投稿はもちろん共有もされやすくなっています。

その中でのサンプリングはさらに多くの、特に「本当に消費者にあった商品」の購入を後押しするタイプのクチコミの投稿、蓄積につながります。「実際に使ってみての感想」というタイプのクチコミは、それを参照する消費者が自分に合った商品なのかどうかを判断する材料になる、特に重要な性質を持ったクチコミで、単なる商品価格といった類の情報拡散とはまた異なる存在意義があります。サンプルはこういった重要なクチコミを発生させることもできるのです。

まとめ

以上に見てきたように、美容アプリ「抹茶美粧」は、ユーザー属性やコンテンツのクオリティの高さ、他プラットフォームとの連携といった面で、美容商品にとって非常に有用なプロモーションを一気通貫に実行できる場だということがわかったと思います。

続く記事では、この動画を使った「実際のプロモーション事例」をご紹介します。

 

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【セミナーレポート】China Beauty(5)~「抹茶美粧」プロモーション事例~