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2017年11月「ECサイト日本人気商品」クチコミランキング

トレンドExpressでは、一週間の中国ソーシャルメディアでの日本関連書き込み総件数の推移、および日本で「行った」「買った」「食べた」「買いたい」「したい」と言及されている投稿の件数を毎週集計しランキング化しています。また独自集計によるECサイト人気日本商品ランキングも週次で公開しています。

今週の【週次ランキング解説】は、2017年11月1日~11月7日の期間、中国のECサイトから独自集計(※)し作成した「ECサイト人気日本商品」ランキングです。

※京東商城、淘宝網について、販売数が多い日本商品(日本からの輸入)を両サイト上で毎週検索し、販売数情報と商品個別のクチコミ情報を組み合わせ独自にランキング化したもの。

中国の「双11セール」、たった1日で楽天の1年分!

中国の11月といえば、中国では街中やインターネット上でも広告が出されて盛り上がりを見せる「ダブルイレブン」です。

上海の地下鉄駅構内のダブルイレブンの広告(Tmall)

上海の地下鉄駅構内のダブルイレブンの広告(Tmall)

11月11日は、元々は独身の日とされていた日ですが、2009年にアリババが展開した「独身の日こそ、家でネット通販をしよう!」というセール企画が双11セールの始まりです。

過去最大の売上を記録した2017年の双11セールですが、アリババの売上金額は2.9兆円で、楽天で取引される1年間の売上金額(約3.0兆円)と同程度となっています。

そんな双11セールを翌週に控えた11月1日~11月7日の1週間でのECサイト日本商品ランキングを見てみましょう。「ダブルイレブン」ではプレセールは当たり前。この時期の各社の攻勢にランク順位は左右されるのでしょうか?

トップ3では1位「サンテFX」、2位「目もとショット アイトリートメントクリーム」には順位の変動はありませんでした。3位「高品位 スワクラン」は先週4位から一つランクアップとなっています。

その他上位10位の中で変動があったのは6位「女の欲望 COOL&UVアームカバー」(前週8位)、8位「肌ラボ 極潤 ヒアルロン液」(前週6位)、9位「ピアフロス」(前週11位)でした。

2017年11月「ECサイト日本人気商品」クチコミランキング「日本で買いたい」? トップ2に異なる特徴

1位と2位のアイテムの他のランキングでの順位との関係を見てみましょう。

1位「サンテFX」は今年5月から1位を保持しています。その一方で「日本で買いたい」のランキングではランキング圏外(50位以下)ですが、「日本で買った」では25位であり、「日本で購入」することの動機づけがまだ健在であることをうかがわせます。(キャプチャは2017年10月25~31日までのデータ。以下同じ。)

「サンテFX」ランキング推移

(ランキング順位変動のグラフは2017年10月末のデータまで)

2位の「目もとショット アイトリートメントクリーム」は、対照的に「日本で買った」ランキングの順位を落としています。

「目もとショット アイトリートメントクリーム」のランキング推移

(ランキング順位変動のグラフは2017年10月末のデータまで)

昨年は「日本で買った」ランキングでは上位50位に入っていましたが、今は200位以下です。中国国内でもECでストレスなく購入することができることで、日本で買う動機づけが薄れていると考えられます。

 

菊正宗の「日本酒の化粧水」のコスパの良さと保湿力であの強豪に勝利!!

11位以下を見てみると、菊正宗の「日本酒の化粧水」が先週40位から36位にランクアップしていました。

中国のポータルサイト網易で、11月7日、日本の化粧水ランキングが公開され、「日本酒の化粧水」がSK-Ⅱよりも高い保湿力だったという結果が伝えられています。

記事では、45種類の保湿化粧水を比較した結果、値段が1,500円以下の「日本酒の化粧水」は、10,000円以上する化粧水よりも高い保湿力を有していると結論づけ、同商品をコストパフォーマンスの高い商品として紹介していました。

「冬の乾燥」は日中共通の美肌の課題。さらに「コスパの良さ(性価比好)」は化粧品を探す中国人の口癖でもあります。「日本酒の化粧水」はここからさらに売上が伸びていくかもしれません。

菊正宗の化粧水は、「日本酒」というワードでも中国人の目を引きそうです。

「舌尖上的日本」(舌の上の日本)という中国で人気のネット番組があります。食をテーマにしたドキュメンタリー番組で、もともとは「舌尖上的中国」(舌の上の中国)という中国の食をテーマにした番組があり、その姉妹番組です。

2017年9月の「舌尖上的日本」では日本酒が取り上げられました。酒蔵で丁寧に作られている日本酒の製造工程や、中華料理にも合うお酒だとして紹介されました。

中国では粉ミルクや、工業用の油など度々食の安全の信頼を揺るがす事件が発生しており、食に対する安全には総じて高い関心があることは周知の事実です。同時に今年は「消費昇級」と呼ばれるトレンドがあり、生活の各所で「これまでより少し良い」製品、習慣を楽しむようになっています。普段の食事での飲酒習慣が広まる可能性もありますし、「安全」の代名詞ともいえる日本の食品(お酒)は存在感を発揮することもできそうです。

生活スタイルの変わり目がねらい目!?「草を植える」

そこで今回は新浪微博での話題性を計測できる「微博指数」を用いて、中国での「日本酒」人気を、「ワイン」「焼酎」と比較してみました。(11月19日確認)

1か月の指数の平均は、「日本酒」1,614ポイント、「ワイン」15,220ポイント、「焼酎」2,148ポイントでした。

三者ではワインが最も話題を集めていることがわかります。日本酒は番組放映時に話題になったようですが(9月17日の手前)、平時は「焼酎」と同程度もしくはそれ以下の注目度のようです。

中国では「白酒」というアルコール50度以上の強い蒸留酒があり、中国人との会食では当然のように出てきますが、最近は趣向の変化か白酒に変わってワインや紹興酒を飲む人達も増えています。今後「白酒よりもアルコール度数の低いお酒」が中国人の飲酒の選択肢にどんどん広まっていくことも考えられます。口当たりの良い日本酒が選ばれる可能性も十分にあるでしょう。

昨今、中国では「宣伝によって買いたい気持ちを植え付ける」ことを「草を植える」と言いますが、そのための種まきは寒い冬のうちに始めてもいいのかもしれません。


日本で買いたいモノ(商品)に体験したいコト(体験)、中国トレンドExpressなら毎週ランキング形式でお届けしています!

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