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【特集】中国アプリ事情(4)~クチコミ力に強みを持つ越境ECアプリは?

中国のアプリ事情に迫る本特集。最後となる(4)では、中国人消費者の本音が垣間見えるQ&Aやレビューアプリ、さらに気になる越境ECアプリの利用ランキングについて見ていきます。

【アンケート調査概要】
中国の人気アプリプラットフォーム安卓市場・応用宝の中から、アプリで人気上位となっているアプリをカテゴリ別に10件ピックアップし、利用したことがあるもの(複数回答可)についてアンケート調査を実施。
調査対象:N=300(男性150、女性150)
調査期間:2017年12月~1月


Q&Aアプリ、音声で回答してくれるサービスも

Q&Aアプリの利用ランキングは以下のようになりました。

  アプリ名 回答数
1 百度知道 75
2 知乎 48
3 天涯社区 43
4 悟空问答 28
5 秘密 21
6 分答 18
7 知识问答 12
8 必应答案 12
9 咚咚问答 10
10 响问 8

Q&Aアプリランキングを調べると、1位「百度知道」、2位「知乎」、3位「天涯社区」となりました。中国人はネットクチコミを最も信頼性のおける情報としている人も多いので、Q&Aサイトが人気を博しており、Q&Aアプリを利用して情報収集をする人も多いです。

百度知道は2005年にサービスが開始されたQ&Aプラットフォームです。中国版グーグルともいわれ、7億人のユーザーがいる百度アプリの中に入っているため利用者も多く、質問も多く集まってきます。そのため、より多数の意見を見たいときには最適です。質問をしたり、回答をすることでポイントが貯まっていき、そのポイントによって百度知道内でのランクが変わっていきます。質問に対して追加補足や、回答に対しての追加質問をすることも可能です。百度知道は日本のYahoo!知恵袋と基本的に類似した作りとなっています。

2位の知乎は百度知道よりもより詳しい回答が多く揃っているのが特徴です。回答者の意見に対して参考になったボタンを押すことで、どの回答が人気かを知ることができます。専門性の高い質問にもしっかりと回答が付くので、ビジネスマンや専門職の人にとって有益な情報が多いといえます。Q&Aの他にもLIVE配信や有料配信のコンテンツもありますが、主な対象としているのはビジネスマンとなっており、仕事で使えるようなものが多くなっています。

6位の分答は、2016年にサービス開始となったアプリです。分答は質問に対して専門家が1分間の音声で回答してくれるサービスです。分答の知名度を一気に高めたのが、質問に対して芸能人から直接回答がもらえる展開をしたからです。分答のサービスは大きく「専門家を探す」「急ぎで知りたい」「コミュニティ」「講義」の4つのカテゴリーに分けられており、値段は回答者が自由に決めることができます。質問者と回答者のやり取りをその他の興味がある人が1元を払って聞くことができ、その料金は質問者と回答者で折半されるため、多くの人が聞く質問であれば質問者が利益を得られるシステムも分答独特です。

レビューサイトにおける「女性のお悩み総合デパート」

レビューサイトアプリでは、1位「新浪微博」、2位「大衆点評」、3位「百度貼吧」となっています。

  アプリ名 回答数
1 新浪微博 275
2 大众点评 254
3 百度贴吧 62
4 她社区 32
5 豆瓣 21
6 口碑 17
7 新车评 12
8 房评 12
9 影评评 7
10 西祠胡同 7

中国ではレビューを書くと料金割引や、特別サービスなどをしてくれる店も多くあります。というのも中国では高レビューが人気店になる重要な要素であり、各店舗はアプリのレビューを集めることを重視しているからです。

1位は新浪微博(ウェイボー)となり、引き続きその強さを誇っています。現在は6.5億のユーザーがおり、写真・動画・文章などを気軽にアップできるのが特徴です。企業が運営しているアカウントも多く、ユーザーの声が直接届きやすいので、クチコミ情報を集める手段として引き続き利用されています。

2位の大衆点評は、日本の食べログに似ているアプリです。アプリからレストランの予約も可能で、中国だけでなく海外からも大衆点評に登録しているお店が多いので、海外旅行先でのお店検索にも使われています。

専門性を持たせたレビューアプリも人気が高まっており、7位の「新车评」は車のレビュー専門アプリ、8位の「房評」は分譲マンションのレビュー専門アプリとなっています。また4位の「她社区」は女性専用アプリで、コスメやファッション、グルメ、学生専用スペース、さらには中国らしく自撮りコーナーが設けてあるほか、恋愛や結婚生活、育児にいたるまで、まさに女性の悩みの総合デパートとして利用されているようです。その書き込みも、「こんなファッションどう?」や「これがおいしい」などの軽いタッチのものから、日本でいう〇〇砲にも相当するややヘビーな内容(←具体内容は忖度してください)まで様々。現代中国女性のリアルな姿を垣間見せています。

戦国時代の様相を見せる越境ECアプリ

越境ECアプリのランキングは1位「天猫」、2位「京東」、3位「淘世界」となっており、上位の強さは揺るがないようです。

  アプリ名 回答数
1 天猫 291
2 京东 216
3 淘世界 172
4 海外购 67
5 亚马逊 21
6 小红书 16
7 蜜芽 12
8 网易考拉海购 11
9 洋码头 3
10 云猴全球购 3

1位の天猫と2位の京東は、もはや説明が不要なほど越境ECの2台巨頭です。越境ECはこの2社を中心に展開されているといっても過言ではありません。両社の争いは日に日に激化しており、圧倒的出展社数を誇る天猫に対し、京東は自社物流網の構築によりユーザー満足度を高めることなどで対抗するなど、目が離せません。

「使ったことのあるアプリ」という調査を行ったため、3位に淘世界が入っています。同アプリは越境モデルで海外の高級ブランドや化粧品などを豊富に揃えていましたが、資金や運営上の問題から昨年夏ごろに運営を休止したとの情報があります。こうしたところからも、越境ECアプリ市場も戦国時代の様相を見せていることがわかります。

そんな中で存在感を強めているのが6位の「小紅書」。もともとはレビューサイトとして誕生した同アプリですが、そのユーザー向けに海外の商品などを取り扱い始めたところ、一気に越境ECとしての人気が強まりました。現在は個人出店なども可能です。

もともとレビューサイトだけあって、一番の強みはクチコミ力。所得、流行感度がともに高い女性ユーザーが中心となっているため、「商品を買うときは小紅書のクチコミを確認する」といった声もネット上に多く見られます。

8位にはネットイースが手掛ける「考拉海購」。トップ2を追いかける新たな越境ECプレーヤーとして注目を集めており、すでに楽天との戦略提携、キリン堂や小林製薬といった日本の大手も旗艦店を出店するなど、日本企業との提携強化を続けています。

トップ2社が相変わらず圧倒的な存在感を見せつけている越境ECアプリですが、それ以外の新進気鋭なアプリも健闘中。これからも新規参入&淘汰が続いていきそうです。

まとめ

ここまで、様々なカテゴリの人気アプリを紹介してきました。その利用状況から、中国人消費者の関心が向かう先や悩みなどもうかがえます。ぜひ情報収集や広告出稿の参考にしていただければと思います。

 

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【特集】中国アプリ事情(1)~プラットフォームは星の数ほど、その理由は?

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