2018年「315」中国消費者権益イベント(1) ~今年のターゲットとなったのは?~

今年もやってきました中国恒例「315」、消費者権益の日。中国が総力を挙げて消費者のために、企業の不正を暴き、ニセモノ工場を摘発し、消費者に正当な権利意識を普及させる大きなイベントです。中国系、外資系問わず中国で販売、サービスを行っていたり、中国向けに販売を行っている企業が注目する「315」。今年はCCTVの特別番組を基に「今年の内容」「今年の315ターゲットの分析」、そして「315を利用したブランディング」の3回に分けてご紹介します。

昨年は東日本大震災以降、中国が輸入を禁止していた日本の食品が販売されていたことで、無印良品や越境ECサイトが摘発を受け、日本からの輸入食品がネット上から姿を消したという一件がありました。

関連データ:株式会社トレンドExpress 『2017年中国315速報レポート』

今年はどうだったのでしょうか?

一発目は「自動車」業界

今年、まず暴露された企業はドイツ系自動車メーカー「フォルクスワーゲン」でした。内容は「エンジン不良とアフターフォロー」。

「自動的にエンジンストップしてしまう。ハンドルも動かない」。そんな地方のフォルクスワーゲンオーナーのクレームがきっかけでした。

オーナーはすぐに同ブランドサービス店に連絡、修理を依頼しました。調べてみれば「エンジン内に水が入っている」とのこと。「確かに昨夜は雨が降っていたけれど、一晩で…?」と首をかしげるオーナー。さらに調べるとエンジン周辺に亀裂があり、そこから水が入っていたとのこと。

さらに店舗から「20万元」の修理見積を提出されたオーナーは「これ、欠陥車じゃないか!」と怒り心頭。このクレームに対してディーラー店主が放った「だってさぁ、神様が人を造ったって“キズ”がついてるってことあるだろ。ましてや人間が作った車だぜ」という一言が報道され、ネット上にも大きな反響がありました。

weibo上の関連報道には「なんて一言だ!」、「ゴミだな」といった言葉や「ウチのは問題なけど…」といった書き込みが

この報道に対してフォルクスワーゲンはすぐに謝罪文を公開。さらには「2014年12月21日から2017年11月12日に生産された、一部輸入の2015-2018年版「トゥアレグ」シリーズ約3万3,000台あまりを回収する」と発表しました。

この素早い対応は、ネット上でも好感をもって受け入れられたようです。

流行りのシェアバイクもターゲットに

昨年は越境ECが問題として取り上げられました。特に政府の市場整理のスピードを超えて拡大するIoTビジネスに、政府も対応を強化している模様。315でも重点目標に挙げられているようです。

ただ今年のターゲットはネット上の小売りではなく、日本にも進出したモバイクやofoなどで急拡大した「シェアバイク」市場です。

報道で問題となったのは、こうしたシェアバイクのデポジットでした。現在中国国内のシェアバイク市場は2.21億元に達しおり、各社99元~299元のデポジットをユーザー登録時に集めています。

この総額をCCTVでは200億~300億元と推測していますが、昨年末から一部の資金繰りに厳しくなったシェアバイク企業では、本来返還すべきデポジットの返還を拒否しており、中国消費者協会には複数社を対象とした20万件におよぶ相談が寄せられているとのこと。

中国の法律では企業がユーザーからデポジットを取ることを禁じていません。しかし、それはあくまでも「保証」のためであって、ユーザーが求める場合には清算、返金すべきものと定めています。それに照らせば、こうしたシェアバイク企業の行為は違法に当たると言えます。

一世を風靡したシェアバイク市場ですが、現在、競争の激化から拡大路線をとる多くの企業で運営困難に陥り、その穴埋めにユーザーからのデポジットに手を付けるといった報道がされています。

ofoも30億元のデポジットをサプライチェーンへの支払いに利用し、モバイクも同様に40億元のデポジットを使い込んでいたことが明るみになっています。

この大手2社はすでに出資企業が見つかったことで資金面も解決し、またデポジット制そのものを改めつつあります。

しかし今回消費者がクレームを行っている対象企業の多くが、すでに廃業、すなわち倒産しており、その返還は進んでいないようで、Weibo上には「デポジット返して~!」といった書き込みが多くなされています。

weiboの報道には「私のデポジットはまだ返してもらってない」といった書き込みがみられる

今回の315では日系企業や越境ECに関して全く言及がないようでした。

ただ、今年に入って越境ECのW11イベントで売られていた化粧品にニセモノが混在していたとの指摘がありました。現在、指摘を受けた越境ECアプリ「KAOLA」は当局に対して不服を申し立て、さらには販売した商品を「ニセモノ」と判断したエスティーローダー本社に対して抗議文を送る騒動になっています。

本騒動も現在も完全な収拾をみていないため、継続的な情報収集・分析が必要と思われます。

これ以外に関しては、多くが食品や貴金属の販売に関するもので、地方都市における劣悪な「コピー商品」などに関するものでした。

こちらに関しては次回、中国の消費動向と合わせて分析してみたいと思います。

参考:
央视315晚会曝光七大问题:大众途锐等被点名(出所:騰訊財経) 中国語
央视曝光:“大众途锐”怕淋雨 发动机频现报废(出所:毎経網) 中国語
315晚会:酷骑单车退押金难 消费投诉超20万(出所:網易) 中国語

特番外で日本の目薬関連報道

さて今回の315では、特に日本に関連した内容はありませんでした。

しかし、中央電視台の315特別番組前のニュースで日本の「目薬」に関する報道が行われました。

これは「過度の使用で逆に目に悪影響がある」との内容。消費者は使用に注意するように呼び掛けています。

報道を詳しく見てみると、日本の眼科教授のコメントを引きつつ、市販目薬の一部の原材料が日本の規定の上限ぎりぎりであることを紹介、「過度に使うと目に悪影響」と呼び掛けています。

こちらは品質問題ではなく、消費者に「容量、用法を守った使用を」、「市販と言ってもこれは薬」といった注意喚起と思われ、昨年の315で見られたような法律違反を指摘するものではない様子です。

ただ、注意が必要なのは、一部のネットメディアでは「これでも使いますか?」、「日本の目薬は害がある」といった見出しも見られており、今後も注意深く推移を見ていく必要があります。

参考:
疯抢日本眼水?调查真相了!繁使用害眼睛(出所:鳳凰網) 中国語
你还在疯抢日本眼药水吗这种眼药水对眼睛是有害的(出所:今日泉州網) 中国語
你还在疯抢日本眼药水?知道真相不敢用了(出所:捜狐網) 中国語

 


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