【越境EC】中国EC商戦618の戦い方① 618を618のみと見るべからず

近年は日本でも注目されている中国のEC市場。とはいうものの、日本のマスコミがこぞって報道しているのは毎年11月11日のいわゆる「双十一(W11)」です。しかし中国でそれに匹敵するほどの注目を集める商戦が6月にやってきます。そう、ご存知「618」です。日本では「W11」に隠れて、なんとな~く影の薄い商戦になってしまっていますが、実はW11の成果にもかかわる重要なポイント。今回はそのポイントをおさらいしておきましょう。

【速報】2018年の618商戦は18日間で1592億元(2.7兆円)

中国EC商戦「618」とは

「618は知っているけど、やっぱりW11でしょ?」、「ウチはW11に照準を合わせているから…」。

中国向け越境ECビジネスに参入する日本のメーカーさんからはそんな声も聞こえてきます。しかし、見落としてはいけない重要なデータがあります。

まずは軽く「618」についておさらいをしましょう。

618とは6月18日、中国EC業界TOP2の一社「京東(JD.com)」設立記念日(1998年設立)として2010年にスタートした中国巨大EC商戦。

かつてはJDがIT企業が集まる「中関村」に拠点を置き、パソコンおよびその周辺機器の販売を中心にビジネスを始めていたことから、「電子系商品が強く、ユーザーも男性が多い」というイメージがありました。

しかし、ファッションやベビー・マタニティといったセグメントでも商品が充実しており、2017年の618でも化粧品の販売が大きく伸びているなど、T-mallと並ぶ総合ECサイトとしての地位を確立しています。

それに伴い6月18日のみのイベントだった618も、現在は5月末ごろから6月下旬まで約1か月続く、大規模イベントへと成長。W11と並ぶ「中国EC市場の最大級のカーニバル」となったのです。

「618」は、中国EC市場全体を巻き込んだお祭り

さて、重要ポイントとは何ぞや?ですが、一つは「618がJDだけの商戦ではない」という点。

考えてみましょう。日本でも有名なW11はもともと「Taobao(Tmall含む)」のアリババが始めた商戦でした。しかし、今は?

もちろん稼ぎ頭はTaobaoで、毎年その売上金額が日本のメディアをもザワつかせていますが、中国消費者からすればこの日は「ネットで買い物をする日!」。そのためTaobaoのみならず、JD、Amazon、その他越境EC専門Appなど、EC業界がこぞって商戦に参加し、売り上げを上げています。

618もそれと同様。618シーズンにはJDだけではなくTaobao、蘇寧、唯品会(VIP)など、いずれも「JDに儲けを独り占めさせてなるものか!」と、イベントをぶつけています。

とはいうものの「618って京東の設立記念日でしょ。他社はどうすんの?」という疑問も生じるかと思います。でもダイジョウブ。618はまさに年の中間点。「年中(日本でいうと中元)」いうこともあり、下の表のように各社とも「6月18日」には触れずに、きれいにキャッチをまとめています。

【参考】主要ECショップの2017年618シーズン商戦

  期間 テーマ
JD.com(京東) 5.25-6.20 全民年中購物節(国民のお中元ショッピング祭り)
T-Mall(天猫) 5.25-6.20 理想生活狂歓節(理想の生活カーニバル)
蘇寧易購 5.25-6.20 年中大促・超級秒殺日(年中大促販。スーパー秒殺日)
唯品会(VIP) 6.15-6.20 年中大促・変換盛典(年中大促販・衣替え祭り)

こうしたキャンペーンの展開によって中国消費者も否が応でも購入意欲が高まっている様子。「6月18日はECで買い物をする日」として根付いていることを感じさせます。

【参考】2017年「618商戦」における主要ショップの実績

ショップ 2017年618の実績
JD.com(京東) ・6月1日~6月18日売上高1,199億元

・販売された商品点数:7億点

・女性ユーザーは2016年と比べ2倍増

・化粧の売上が大きい。SK-IIとエスティローダーは売上が通常時の4倍に。

T-mall(天猫) ・6月18日当日において、オープニング7分で早くもTmall国際の取引額合計が1億元を突破。

・ファッション・アパレルの取引額合計は10分間で10億元を突破。

・日用品は、開始30分で前年比378%に。

・スタート開始から1時間でTmall家電類売上高昨年比2倍増

・SONYなど家電ブランド30社、売上前年比倍増

KaoLa(コアラ) 2017年の6月18日の売上は前年同日比500%(コアラの2016年W11売上の130 %)

W11を獲るために618が大事

もう一つ、ぜひ注目すべきポイントが、W11とのユーザーの違い。

JDやTaobaoが公開しているデータを見てみると、W11では既存ユーザーによる購入が爆発的に伸びる日なのですが、618日は「新規ユーザー」が購買意欲を高める日となっていることが読み取れます。

実は消費者にとっても「最大のイベント」はW11という認識があります。しかし同時にレビューサイトなどでは「京东618和双11哪个便宜(618とW11はどっちが安い?)」という質問が上位に登場するなど、同じように注目されています。

結果として中国消費者は「まずは618で腕試し。そこでいい商品に出会えればW11でガッツリ」という作戦を立てている模様です。

 【参考】「2017天猫国際年度消費趨勢報告」におけるT-mallユーザーの消費動向

【参考】「2017天猫国際年度消費趨勢報告」におけるT-mallユーザーの消費動向

出所:CBNDATA「2017天猫国際年度消費趨勢報告」より抜粋
http://www.cbndata.com/report/586/detail?isReading=report&page=16

メーカーにとってみれば、618で消費者に自社ブランド、商品を印象付けることができれば、自然W11の商戦を有利に戦うことができるようになるとも考えられます。

例えればW11が「関ヶ原」であるならば、618は新規ECユーザーに自社を知らしめる「桶狭間」。

特にEC商戦が激化し、かつ消費者がその利用方法を使い分け始めている今、「618」、「W11」とそれぞれの商戦を単独で考えるのではなく、これらをどのように利用し、中国の消費者の囲い込み、刈り取りを行っていくかの戦略が必要になっているのです。

618がW11も視野に入れたプロモーション・チャンス。では、どういった手法が効果的なのでしょうか?次回、618におけるECサイト内でのプロモーションに踏み込んでみたいと思います。

 

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▼参考記事

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