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【中国人気化粧品】 「濡れても落ちない!にじまない!」 中国女性大喜びのアイライナー大分析

中国でも人気の高い日本の化粧品。その多くは化粧水や乳液といったスキンケア商材ですが、現在はメイクアップ商材にも注目が集まっており、中国でも日本製のメイクアップ商品の人気がジワジワと高まっています。

その日本のメイクアップ商品のなかで早くから知名度を確立し、長期にわたって高い人気を誇っているのが「ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ」です。

今回は中国の女性から人気、満足度を勝ち得ている同商品の背景を中国SNSのクチコミを深掘りしながら分析していきたいと思います。

■調査内容
以下のキーワードで直近1年分のWeiboクチコミを収集

  • ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ
  • アイライナー
  • 目元×化粧

 

「ヒロインメイク」は日本の化粧品メーカーである株式会社伊勢半のブランド「Kiss me」の中にあるシリーズ商品。

「美の国の王女・エリザベート・姫子」の、より美しくあるためのメイクグッズというコンセプトで、いずれもそのキャラクターをあしらった豪奢なパッケージデザインが目を引く商品となっています。

そのなかで中国で人気となっているのが今回紹介するアイライナー。日本でも「涙・汗・皮脂に強く、美しいラインを長時間キープ」することができながら「にじみにくいのに、お湯でオフ!」というクレンジングの便利さ、さらには「筆先0.1mmの極細筆」が使いやすいと評判の商品です。


中国消費者の「買いたい!」No1を堅持

トレンドViewerにおいては、特に「買いたい」ランキングで2015年11月初旬に1位を獲得したのを皮切りに、3年間常に上位をキープし続けている商品です。

Kissmeブランドは2013年7月24日にWeiboの公式アカウントを開設。現在フォロワー数は3万4000人余りですが、こまめな情報発信で消費者への訴求を続けており、また2017年にはT-Mallに旗艦店をオープンさせ、本格的な販売活動を展開しています。

「買った」ランキングの下降は同商品が手に入りやすくなったことで、あからさまに「買った!」と自慢する必要が乏しくなった場合に見られる傾向で、消費者に商品が浸透していることによるものとも考えられます。

 

【グラフ】トレンドViewerにおけるクチコミランキング推移

 

【グラフ】トレンドViewerにおけるクチコミ件数推移

直近1年間、月ごとのヒロインメイクアイライナーとアイライナーそのもののクチコミ件数の推移を見てみましょう。

 

【グラフ】ヒロインメイクアイライナーとアイライナーのクチコミ件数推移

これを見ると、今年の6月以降からクチコミ件数が急激に増加していることが見られます。アイライナー全体のクチコミ件数に大きな上昇が見られないことから、業界全体変化や季節的な要因ではなく、同商品そのものへの注目が高まっていたと思われます。

そこにはいくつかの理由が考えられますが、6月ごろに中国のトップKOL「Pony 朴恵敏」がショートムービーサイト・秒拍で同社のアイライナーやマスカラを他のコスメグッズとともに紹介しており、それが人気に拍車をかけたことが予想されます。

その動画では、彼女がお勧めするメイクグッズとして複数のブランドが紹介されていますが、「アイライナーとマスカラのおすすめ」として同商品が紹介されています。

直接的な広告を避ける傾向がある中国消費者にとっては、こうした複数ブランドと一緒に紹介されることは、発信者の客観性を高め、より高い信頼を得ることにつながるのです。

人気のポイントは「落ちない」「にじまない」

ただ、中国消費者からの人気は、単なるKOL効果によるものだけではありません。今年直近半年間の同商品とアイライナーのポジ・ネガを見てみると、それがわかります。

 

【グラフ】アイライナーのクチコミポジネガ

こちらを見ると、ポジティブとネガティブがそれぞれ1/4ずつ、半数がニュートラルな位置づけであることがわかります。

ではヒロインメイクのアイライナーはどうでしょうか?

 

【グラフ】ヒロインメイクアイライナーのクチコミポジネガ

ポジティブなクチコミが約3割、ネガティブの3倍近い数値を占めています。さらにネガティブにおいては全体の1割と、アイライナー全体のネガティブクチコミに比べると、10%以上も低い値になっていることがわかります。

同商品は中国アイライナー市場においても「高満足度商品」であることが見てとれます。

「にじまない」! 商品の強みが中国消費者に浸透

アイライナーの名でも満足度の高いヒロインメイクのアイライナー。ではどのポイントが消費者からの満足を引き出したのでしょうか?

同商品とともに上げられるクチコミキーワード上位20種を見ながら分析していきましょう。

 

【グラフ】ヒロインメイクアイライナーのクチコミキーワードTOP20

もちろんトップとなるのは「Kiss me」という同社のブランド。ブランド名が浸透することで、アイライナーだけでなく、一連のシリーズ商品のマーケティングにも有利に働きます。

それに続くのは「使いやすさ」。日本でも訴求されている「0.1ミリ」の筆先に対する高評価が挙げられています。

特にアイラインは書きながら「曲がってしまう」というのが日中問わず、おしゃれ女性共通の悩みとなっています。

同製品は、Weiboなどでは細さ以外にも「筆の柔らかさがちょうどいい」といったクチコミも散見され、同社の「書きやすさ」への追求が体験できているようです。

そして多いクチコミが「にじみ」、「長持ち」、また「防水」といった耐久度に関するクチコミです。Weibo上だけでなく、小紅書(RED)においても同商品の防水性などに対しては非常に高い評価が多く、同社の強みである「にじみにくさ」が見事に刺さったことがわかります。

まさに「エリザベート・姫子」のいう「涙に濡れても美しくなければ」というキャッチコピーが受け入れられたことになります。

ではなぜ、同社の強みがここまで中国に刺さったのでしょうか?

次回はこの同商品の強みと、中国女性のアイライナーへのニーズとを対比させながら、同商品の人気を探ってみたいと思います。