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新元号いかに?改元まであと少し。 元号発祥国の中国では「新鮮さ」に注目

2019年の日本は大きな節目を迎えます。それは「改元」。つまり平成が終了し、新しい元号が使われるということ。それを記念して日本のメディアでは「平成30年間」を振り返る特集が多く組まれています。

日本人にとっては感慨深いこの改元ですが、中国をはじめとする海外では「?」という人も少なからずいます。と同時に、聞きなれないモノゴトに興味を示す消費者も少なくありません。

そこで、中国トレンドExpressでは、きちんと中国に向けて日本文化を伝えるためにも、もう一度日本の「元号」について復習。同時に中国SNS上での日本の改元に関するクチコミを探ってみました。

おさらい、日本の元号って?

実は2019年、改元の年、実はある記念の年でもあるのです。それは日本国憲法下で「元号法」が成立してから40年ということです。

でも、そもそも日本の元号(時代によっては年号とよばれていたりも)は、いつどのように成立したのでしょうか?

簡単に小中学生レベルの日本史を振り返りましょう。

 

日本で初めて元号が用いられたのは西暦645年。「乙巳の変」によって蘇我一族を滅ぼした中大兄皇子と藤原鎌足が、国政改革を始めたときのことです。

2人はこれから新しい時代が来ることを示すため、中国の習慣に倣って元号を定めます。それが「大化」。その後の改革がいわゆる「大化の改新」とよばれるものですね。

 

それから現在の「平成」まで、日本ではざっと247の元号が使われてきました。

明治以前は現在とは異なり、国に何か祝い事があったり、地震などの大きな自然災害が有ったり、また干支が循環する60年一回の「甲子の年」に改元する習慣がありました。

いずれも元号を変えることで、「時代を新しく切り替える」という意味合いがあったのです。つまりは、国全体を心機一転しようという考えですね。

 

そんなこんなで日本人の生活になじんでいった「元号」ですが、発祥が中国ということもあり、多くが中国の古典、特に著名な儒学の経典や歴史書から取られています。

明治以降を見てみましょう。

 

【明治】
『易経』の「聖人南面而聴天下、嚮明而治」(「聖人南面して天下を聴き、明に嚮(むか)ひて治む」)      

 
【大正】
『易経』彖伝・臨卦の「大亨以正、天之道也」(大いに亨(とほ)りて以て正しきは、天の道なり)

 
【昭和】
『書経』堯典の「百姓昭明、協和萬邦」(百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦(ばんぽう)を協和す)

 
【平成】
『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、『書経(偽古文尚書)』大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)」

 

こうした儒学の知識や漢籍教養というのは、日本のインテリ・学者たちにとっては必修科目。特に自分たちの時代を示すために、文化先進国であった中国の知恵を借り、その言葉で新しい時代への想いを語ったのです。

もともとの中国では?

では、中国ではどうだったのでしょう? 中国の元号の歴史は日本よりもさらに遡ります。

最初に元号を定めたのは漢の武帝(劉徹)という皇帝。紀元前116年に国内できれいな「鼎」が掘り出されたのを記念して、その年を「宝鼎」と名付けます(日本と少し違うのは、そこから自分の即位まで時間をさかのぼって、元号を定めました)。

 

以来、中国でも長きにわたって数多くの元号が定められました。明代以降は現在の日本と同じ「一世一元」が定められ、皇帝の権威とともに最後の王朝「清」まで受け継がれます。

 

そして1911年、中国で辛亥革命がおこると、『ラストエンペラー』の主人公となった「宣統帝」愛新覚羅・溥儀が退位。始皇帝以来続いてきた皇帝制の終了とともに、元号も「宣統」をもって最後となります。

その後、辛亥革命の1911年を元年として「民国〇〇年」という元号的なものが用いられますが、1949年に中華人民共和国が成立したのをもって正式に西暦に移行。

元号発祥の地である中国で完全に姿を消します(「民国〇年」は現在でも台湾地区で用いられています)。

新元号は「羽生」押し? 元号あてゲームに参入も。

そんな風に、すでに元号を用いなくなった中国、今回の日本の改元をどう見ているのでしょうか?

中国でも日本の改元に関するニュースはテレビ、新聞などの報道のほか、WeChatWeiboなどのSNSでも広く伝えられています。

その中では上記のような「日本の元号は中国の古典から」という情報も含まれており、「知らなかった!」、「日本すげぇ!」のような、自国発祥の文化が日本で伝統化し、受け継がれていることに驚きを感じるようです。

同時に、日本で放送されているテレビの影響か「次の日本の元号は?」といった、元号予想などが行うようなスレッド、WeChatメディアも現れるなど、現代中国にはない習慣を楽しんでいる様子がうかがえます。

 

ちなみに日本の元号予想の候補の中で、中国のネット民から支持を受けた日本の新たな元号は「羽生」。

スケート選手・羽生結弦選手のファンも多くいる中国では、一番馴染みやすい元号候補となったようです。

この改元、新たな時代の到来という意味だけではなく、日本と中国の文化的な強いつながりについても感じてみたいものです。