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【特集】いくらで食べる?乗る?遊ぶ? 中国の物価(6) ~タクシーと交通機関からシェアサイクルまで! 運賃まとめ~

「物価」をテーマにお届けしている6月前半の特集最後の一編です。中国主要都市の交通機関の運賃について調べてみました。

※本文中の価格については、1人民元=16.5円で換算。数字の小さいものを除き、小数点以下を四捨五入して記載しています。

 

運賃比較! 各都市のタクシーと公共交通機関

中国に旅行したことのある方なら、そのタクシー料金の安さに驚いた経験をお持ちでしょう。実は、地下鉄はもっと安いのです。北京、上海を例に見てみましょう。

(タクシーは昼間、初乗り費用)

参考:2017年各都市のタクシー費用標準(出典:交通違章査詢網) 中国語

タクシー初乗り

【北京市】
3キロまで10元(165円)、その後15キロまで1キロ2元(33円)、その後1キロにつき3元(49.5円)と50%の割増

【上海市】
3キロまで14元(231円)、その後15キロまで1キロにつき2.5元(41.25円)、その後1キロにつき3.6元(59.4円)

【深圳市】(関内、赤または黄。地域と種類により金額が異なる)
2キロまで10元(165円)、その後1キロまで2.4元(39.6円)、停車時は毎分0.8元(13.2円)加算。他にガソリン費1元(16.5円)、大型荷物運搬の加算がある。

【天津市】
3キロまで8元(132円)、それ以降1キロにつき1.7元(28.05円)、10キロより先は50%の割増(タクシーの復路費用)、ガソリン費1元(16.5円)

【成都市】
10キロまで1キロにつき1.9元(31.35円)、初乗りは8元(132円)。

どの都市でも初乗りが200円とかからないことがわかります。日本でもタクシー初乗り料金が引き下げられましたが、訪日旅行に来た中国人がその料金を高く感じることは容易に予想されます。

 

地下鉄

続いて地下鉄です。

【北京市】
2元(33円)~6元(99円)程度(空港線は別)

【上海市】
3元(49.5円)~7元(115.5円)程度 (空港までは9元=149円)

【広州市】
2元(33円)~15元(247.5円)

当たり前ですがタクシーよりさらに安くなっています。東京メトロの初乗り料金と比較すると(普通券購入の場合170円)、高く感じられるのではないでしょうか。

 

市内バス

最後に、市内バスです。市内を走るバスは「公交」と呼ばれ、長距離バスや空港と市内を結ぶようなものとは区別されています。市内バスにも様々な形があり、上海郊外では「普通車」「空調車」があります。

また交通ICカードを利用した場合の優待がある都市もあります。交通ICカードは「市政交通一卡通」と呼ばれ、各都市で利用されています。2015年より33以上の都市で相互利用サービスも開始されました。さらに2017年5月には、翌月6月にもAppleがApplePayに交通ICカードの機能を備えることを計画しているとの報道がされていました。

参考:
上海公交バス料金調べ(出典:本地宝) 中国語
北京公共交通機関の運賃:バスは2元~、地下鉄は3元~ 12月28日施行。(出典) 中国語

一卡通(百度百科) 中国語
ApplePay、6月に中国国内の公共交通カード連携を狙う(新浪科技) 中国語

 

【北京市】
初乗り2元(33円)、カード利用の場合1元(16.5円)。
10キロを超えて以降、5キロごとに現金なら1元(16.5円)、カードなら0.5元(8.25円)加算される。例えば16キロ乗車で現金なら4元(66円)、カードなら2元(33円)となる。

【上海市】
中心地…初乗り1元(16.5円)、13キロを超えると1.5元(24.75円)加算
郊外…初乗り1元(16.5元)、1キロごとに0.12元(1.98円)加算する(0.5元=8.25円ごとに計算する)

地下鉄よりさらに安く、10キロ程度の移動なら数十円で可能です。所得の増加、購買力の増加が話題に上る中国ですが、バスの運賃は昔の中国のイメージをそのままとどめているかのようです(実際には運賃の改定が行われています)。タクシー、地下鉄同様、訪日旅行の際に高額に感じるだろうと予想されます。

一方で新浪微博の書き込みをのぞいてみると、日本のバスについて「運転手の態度がすばらしい、親切」や「ハンディキャップを持った人もスムーズにバスに乗れていることに感激した」といったサービスに対する評価の高さがうかがえます。

 

ofoと摩拝(mobike)が二大勢力! シェアサイクルの利用料

交通費の最後に、今中国関連の報道を賑わせている「シェアサイクル」の利用料の一例を紹介します。

2016年の末から急激にその存在感を増しているこのサービスは、交通手段における排出ガスの削減の方針とも相まって、政府からも好意的にとらえられています。先月には社内でシェアサイクルの専業委員会の成立大会が開催されました。2017年末には5,000万ユーザーを突破するとみられています。

百度百科によれば、この市場における現在のトップシェアプレイヤーはofoと摩拝(mobike)の二社で、後者の稼働台数は450万台、市場の60%を占める数値となっています。

この市場に早くから参入しトップシェアとなっているofoと摩拝(mobike)を除き、2016年末には25のシェアサイクルのプレイヤーが存在していました。今回はそのうちの一社である永安行の利用料金を参考に追加したofo、摩拝(mobike)、永安行の三者の利用料金表を作成しました。

 

利用料金

  学生、教師 社会人 デポジット
ofo 0.5元(8.25円)

(一日5元(82.5円)=10時間まで)

1元(16.5円)/1時間 99元(1,634円)
摩拝(mobike) (なし) 1元(16.5円)/0.5時間 299元(4933.5円)
永安行 (なし) 0.5元(8.25円)/0.5時間

1日20元(330円)=10時間まで

99元(1,634円)

 

例えば千代田区の「ちよくる」は神田、御茶ノ水、永田町、秋葉原で借りることができるコミュニティサイクルです。こちらの料金は一日レンタルの場合1,500円です。訪日外国人の多い京都でも、1日1,000~1,500円の価格設定となっています

「ちよくる」には時間単位の料金設定もあり、最初の30分が150円、以降30分毎に100円が加算されます。中央区や新宿区でも同様の料金体系です。

1日10時間借りたとして1時間あたり100~150円、また時間貸しであれば1時間当たり250円になりますので、現地価格の15倍程度となります。先に見てきた地下鉄やバスの運賃同様、中国現地の価格とはかなり差があるとわかりました。

ちなみにofoは黄色、摩拝(mobike)は白い車体にオレンジの車輪、永安行は青い車体となっています。一目でどの会社の自転車かわかるようになっているのは日本と変わりありません。

ofoや摩拝(mobike)の利用料金の決済はすべて、WeChatPayment(微信の決済機能)またはAlipayで行われますが、上述の「ちよくる」はじめとする東京都のコミュニティサイクルは、時間貸しの場合のみカード決済とドコモケータイ払いが可能というシステムです(1日パスは交通系ICカード可能)。料金の高さだけでなく、こういった点に不便を感じることもあるかもしれません。

参考:
共享単車(百度百科) 中国語
ofo利用料標準(出典:huoche.net) 中国語
摩拝単車(百度百科) 中国語
千代田区コミュニティサイクル ご利用料金・時間
京都サイクリングツアープロジェクト

 

まとめ

全6回にわたり、中国の物価を見てきました。

本編(6)でとりあげた交通費では、どの交通機関・サービスを利用しても日本よりかなり安いことがわかりました。

前回までに見てきたお菓子や日用品は低価格である一方、価格の幅も広く、日本より高いもの安いものと様々でした。一方で食事・宿泊は日本の価格に近く、特に上海の外食の予算感は東京のそれとほぼ同じと言えるようです。

次週は引き続き「物価」について、そして訪日旅行に関する行動について、中国のSNS新浪微博上でユーザーに対し実施したアンケート結果をお届けします。
どうぞお楽しみに。

 

▼「物価」シリーズ全6編、そのほかはこちら

【特集】いくらで食べる?乗る?遊ぶ? 中国の物価(1) ~中国ビジネスマンの1日で、流行品・食・住居を知る~

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