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【聖地に集う中国人】2017年版 後編 ~「聖地」の可能性を持つ作品ジャンル、そして今年要チェックの映画作品は?~

「聖地巡礼」の2017年最新トレンド情報をお届けする【聖地に集う中国人】2017年版、後編です。前編では最新のランキングを紹介しましたが、後編では各スポットランクインの理由について取り上げていきます。

聖地認定のきっかけは全話視聴可能な動画と映画作品への注目

既出のスポットも「聖地」化でクチコミ増加

「三鷹の森ジブリ美術館」「ちびまる子ちゃんランド」は元々人気のスポットではありますが、聖地巡礼としては初のランクインとなりました。「聖地巡礼」の盛り上がりが感じられるとともに、これらのスポットで「聖地巡礼」がブランディングに活用できる可能性を感じさせます。

「ちびまる子ちゃんランド」「三鷹の森ジブリ美術館」は、行ったランキングでは下降傾向にありましたが、5月を過ぎたあたりから上昇傾向に転じており、聖地巡礼のクチコミが影響を及ぼしている可能性もうかがえます。

タイムラグありの人気作品、公開本数が増加した映画もアニメが多数

今回初めてランク入りしているアニメや映画を見てみると、日本では放映がだいぶまえに終了しているものがほとんどとなっています。これらの作品は中国の動画サイトで公開されていますが、こういったサイトでの視聴は全話まとめてされることも多いので、放映終了後であっても注目が上昇していくという事情が影響しているでしょう。

また今年のランキングには、アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」「サマーウォーズ」「秒速5センチメートル」などが初登場ランクインしていますが、ここからテレビアニメだけでなく本年の日本の映画への注目度の高さがうかがえます。

昨年は新海誠監督作品「言の葉の庭」が4位にランクインしており、当時も日本映画への注目がすでに集まり始めていたことがうかがえます。今年のランキング結果には「君の名は。」の爆発的な人気の影響もありそうですが、アーリーアダプターは「聖地巡礼」のスポットとして昨年から映画に目を付けていたことも考えられるのではないでしょうか。

中国では海外映画の輸入に制限が設けられており、2015年に日本映画は年数本の公開にとどまっていましたが、2016年は「君の名は。」を含め合計10本以上の日本映画が上映されたようです。

中国の報道を確認したところ、正確な数字を報じているニュースは確認できませんでしたが、「聖闘士星矢」、「ナルト」、「ドラえもん」、「ちびまる子ちゃん」、「クレヨンしんちゃん」、「ワンピース」、「名探偵コナン」、「ビリギャル」、「寄生獣」が公開されていることがわかりました。

今年はこれらの作品に出てくる「聖地」が訪日中国人の関心を集めやすいタイミングとなっているのではないでしょうか。実際の集客に落とし込むような取り組みがあるのかどうか、編集部でも注目していきたいところです。

参考:
「君の名は。」中国興収が日本映画で歴代1位に 2016年アニメ映画で4位(出典:アニメーション・ビジネス・ジャーナル)
2016中国上映的日本动漫电影盘点(出典:4399動漫) 中国語

ゲームとイベントに聖地ランクインのポテンシャルがひそむ

第10位の「新世紀エヴァンゲリオン」に関しては、2016年夏に上海のゲームショーで高さ25メートルのエヴァ初号機が公開されるというイベントがありました。このリアルのイベントが知名度の向上、ひいては今回のランクインに寄与したとも考えられそうです。

「エヴァンゲリオン」といえばアニメ作品、マンガ作品だけでなく、劇場版アニメ映画も度々公開されていますが、SNSの微博では最近もVRを利用した「新世紀エヴァンゲリオン」のオンラインゲームの話題に注目が集まっていました。

オンラインゲーム自体、中国IT大手のテンセントの第一四半期でも大きく売り上げを伸ばしている分野であり、今中国の消費者を語るうえで欠かせない分野となっています。ここからのファンがアニメ作品へ関心を抱き、ゲームのモデルとなった作品の聖地が旅先として注目を集める…ということも、これからはあるかもしれません。

参考:腾讯2017年Q1财报:微信活跃用户数同比增长23%,QQ下降2%|新京报财讯(出典:鳳凰資訊) 中国語

作中に出てくる地域を訪問するという点を「聖地巡礼」の定義とすると、少しその定義からはずれますが、お台場の「ガンダム」は中国でも有名です。リアルのイベントが、消費者の旅先の選択に影響を与えることは珍しくありません。ファンの誘致やさらなる消費拡大のきっかけとして活用できる存在ではないでしょうか。

まとめ

以上のように、ゲーム映画アニメの動画サイトでの公開など様々なコンテンツが「聖地巡礼」のきっかけとなっていることがわかりました。

一度中国でクチコミが拡散し始めれば、その人気を継続させる手法は様々に考えられます。地方への集客を仕掛ける際、まずは日本のコンテンツという切り口で中国のSNSやネット上のクチコミを探ってみるというのは、最初の一歩として有効な一手となりそうです。


▼実際のクチコミの調査項目や、調査項目決定のためのフローはこちらもご参照ください!

【事例】ここまでわかる!中国SNS調査 ~静岡旅行の目的、誰も予想できない結果がクチコミから判明~

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