【セミナーレポート】越境ECで爆売れ!トレインの「アームカバー」の陣(2)~PRの心得そして越境ECで勝ち抜くための作法~
(1)では、爆売れとなった日焼け防止アームカバー『女の欲望 COOL&UVアームカバー』のプロモーション施策と、その反響についてお伝えいたしました。
本編では、「女の欲望」シリーズを中国越境ECに出品するにあたって、株式会社トレインのPRの心得、そして越境ECで実際に売れるためのPR戦略について、その詳細に迫ります!
「主導する」PR
長谷川社長のお考えになる、「よくないプロモーション方法」とはずばり、「広告予算を組んで、その金額での施策を広告代理店やPR会社に丸投げすること」です。
反対に言えば「メーカー主導で」PRの方向性を定めていくことが、「良い」プロモーションであり「商品が売れる」重要な要素となります。
今回トレインでは、『女の欲望 COOL&UVアームカバー』を中国で販売するにあたって、買い付けの中国人バイヤーへの説明を行いました。これはまさに「丸投げ」の逆の行為で、「バイヤーが商品を買うべき理由」言い換えれば「消費者が手に取れば気に入ってくれる理由」を、売り手側(トレイン)がプレゼンし、広告代理店やPR会社、バイヤーに納得してもらう、トレインの商品を取り上げてもらう、という形式です。
具体的には「中国市場では未開拓の、アームカバーという商品を一緒に仕掛けていきませんか?」といったスタンスの提案で、次節に見るような詳細な情報をパートナーに共有してもらうことが、トレインにとってのPR活動のスタートです。
商品の細部まで熟知するメーカー側が、パートナーとなる代理店やバイヤーに「自分の言葉で」その商品の経歴や特長、ブランドイメージを説明することで、パートナーはより効果的なPR案を提案してくれたり、積極的に販路を切り開いてくれたりするのです。
トレインがパートナー企業に共有した市場知識、商品知識
さてでは今回トレインがパートナーとなる各社に出した「オリエンシート」の内容を特別に公開いただきます。
商品が開発された経歴や特長、歴史、ブランドイメージを説明したもの。ニュースリリース、PR施策に活用できる切り口となる。またバイヤーへの取り扱い説得の材料にも。
日本国内でのUV対策市場について
日本国内で日焼け止めクリームやサンバイザー、アームカバーが人気になってきた背景に、太陽光による紫外線の害が広く認知されてきたことが挙げられます。
日本人女性のなんと96%が将来のシミ・そばかすへの対策として、そして肌ダメージへのケアとして、何らかのUV対策を行っていると回答しました。紫外線の肌へ与えるダメージが認知されたことから、夏季だけでなく通年で利用するユーザーや、男性や子供向けにも需要が広まり、紫外線対策商品の売り上げは近年大幅に拡大しています。
こういった流れの中で、肌に塗る日焼け止めクリームだけでなく、直射日光を肌に受けることを防ぐアームカバーやサンバイザーといった身に着けるアイテムが登場し、今やファッションのひとつとして日常的に取り入れられています。
日焼け防止アームカバー『女の欲望 COOL&UVアームカバー』の特長
高い紫外線カット率、スリムフィット構造で腕が細く見える効果に加え、ショート丈やメッシュ、ボーダー柄などのバリエーション豊かなラインナップ、そして何より他社製品にはない筒編みの接触冷感シームレスストレッチ素材と多くの特長を兼ねそろえています。
上記に加え、(1)で紹介したようなトレインの人気商品の数々、「女の欲望」シリーズの日本での売れ行き実績が、オリエンシートにまとめられました。
長谷川社長は「ただ商品の情報をPRや記事にしてもらうのではなく、販売戦略として様々な切り口となるような材料を積極的に提示していく」ことを重視しました。
今回、中国市場を狙うにあたって、「東急ハンズやロフトといった有名店での売り上げが1位」、「日本のテレビ番組、ニュースに取り上げられた」といった事実が、中国市場においても非常に話題性がありました。中国市場に出るときにも大きな看板になります。
こういったPRブランディングを確立しておくこと、そしてそれを必要とする層に直接アピールすることが、販売戦略において重要なポイントとなってきます。
「指名検索」を生み出す、サイト外での話題性こそ重視せよ!
今回の施策で配信される記事は、「女の欲望」UVアームカバーの特長が、おしゃれや美容に関心があり、購買意欲の高い有効ターゲット層である中国人女性に届き、支持される内容でなければなりません。
同社では上海伊勢丹など中国の実店舗での販売展開もありました。しかし今回この方法を応用するには、信頼できる卸先が限定されてしまう、また、流通経過に不透明な部分も多く、手を離れてからのコントロールがしづらいことをネックに感じていました。
そこでインターネット大国・中国を相手にする企業の常として、株式会社トレインも、ECサイト上での市場に狙いを定め、ECサイト上での販売を開始します。
実は、ECサイト(モール)での販売で成功を収めるためには、EC店舗の運用業務とは別に「モールの外」が非常に重要になってきます。
ユーザーの多い巨大なECサイトであればあるほど、膨大な商品が出品されています。出品しても、トップページに表示されるか、ピックアップ商品として取り上げられない限りは消費者の目に留まらないことも多いです。
モール内でユーザーの目にとまるためには、モール内に広告を出稿し、キャンペーンを展開する必要があります。こういった宣伝活動は、同じモール内に出店している欧米企業・韓国企業との戦いを意味します。実際のところモール内では、より多くの広告費を出した者が勝者となり、早い段階で疲弊してしまう危険があります。
限られた予算で、この不毛な争いを効率よく勝ち抜く技が「モールの外」でのPRブランディング施策です。「急がば回れ」の精神で、このような一見するとECサイトを外した施策が、結果としてECサイト内での「指名検索」につながります。
例えば「女の欲望」シリーズであれば、サイト外で見た情報を基に、購入したい人がその「女の欲望」というブランド名そのものを直接検索し、モールにたどり着いて、そのまま購入につながっていくのです。
サイト内のプロモーションだけでは中国の消費者層を動かすようなムーブメントを作り出すことは非常に難しく、言い換えれば「売れているものしか売れない」のが事実です。ECでの売り上げを重視すればこそ、モールの利用者だけではなくその外でまずは商品を認知している母数を増やす必要があると言えるでしょう。
まとめ
「女の欲望」UVアームカバーが成功した秘訣は以下の2点です。
- ブランディングコンセプトをしっかりと持ち、それをPR会社、販売委託業者と共有したこと
- 買わせるためのプロモーションを、ECサイト上にとどまらせず、モール外でのプロモーションで先に話題を作ったこと
▼一次情報である「ウェブメディアでの記事露出」が重要な理由はこちらでも解説しています!
【セミナーレポート】国慶節需要を逃さない!(4)KOL施策では3つの落とし穴に注意
続く記事ではECモール外で話題となるためにトレインが採用したPR手法「大手サイトへの記事配信」について解説、『女の欲望 COOL&UVアームカバー』で実際に配信した3回の記事の内容と、記事のどの部分が「消費者に刺さる」結果となったのかに迫ります。
▼続きはこちら
【セミナーレポート】越境ECで爆売れ!トレインの「アームカバー」の陣(3)~中国向け全3編のPR記事のポイントと『リスクをチャンスに変える』思考法~