【訪日外国人】日本旅行の魅力2位は温泉に入りたい 中国クチコミランキングより
トレンドExpressでは、一週間の中国ソーシャルメディアでの日本関連書き込み総件数の推移、および日本で「行った」「買った」「食べた」「買いたい」「したい」と言及されている投稿の件数を毎週集計しランキング化しています。また独自集計によるECサイト人気日本商品ランキングも週次で公開しています。
今週の【週次ランキング解説】は、2017年10月18日~10月24日の日本で「〇〇したい」ランキングについて取り上げます。
「自由に楽しむ」買い物は、変わらず日本旅行の魅力
ランキングTOP10は以下のような結果になりました。
1位「買い物したい」2位「温泉に入りたい」3位「日本料理を食べたい」となりました。「買い物」人気のゆるがなさがうかがえます。
世の中を席巻した訪日中国人の「爆買いツアー」、その盛り上がりがひと段落してしばらくがたちます。SNSの書き込みでは「ツアー」への不満はちらほらみかけるものの、依然として「買い物」の楽しみは中国人観光客の中で存在感を放っているようです。
昨年までの円安がひと段落した現在、当時のように熱狂的な爆買いは落ち着いているようです。当時の爆買いをきっかけに日本の商品や食べ物が中国人に広く知られたという面もあり、日本でショッピングを楽しむというのが中国人にも一般化してきています。
「もう登れないかも!」富士山人気はポータルサイトのニュースが影響?
さて今週3週間ぶりに10位にランクインしたのが「富士山に登りたい」(前週14位)です。
日本人にとっては日本一の山であり、特別愛着を持っている人が多い富士山ですが、中国人にはどう映っているのでしょうか。実際に富士山に訪れた中国人旅行客の微博クチコミから探ってみました。
「新幹線から見た富士山!超綺麗!」「季節によって雰囲気の違う富士山は美しい」などの書き込みがあり、『美しい山』として認知されているようです。
中国には富士山よりも高い山もたくさんあります。中でも中国で一番の名山と名高い安徽省の黄山には「黄山見ずして、山を見たと言うなかれ」という言葉があるほどです。日本と同じく中国でも山には特別な力が宿っていると考えられている人も多く、山岳信仰が人々にも根付いています。
微博のクチコミでは実際に富士登山をしている人は少なく、富士山の見える場所で富士山をバックに写真を撮っている人が多いようです。
富士山は平日1日平均約3,000人超の登山客があり、頂上付近は人で渋滞しています。10月21日のポータルサイトシナが新浪新聞で配信したウェブニュースではこの状況を伝え、来年以降富士山への入山制限が行われるかもしれないとまとめていました。こういったニュースの影響で、富士山への感心が高まったのかもしれません。
美容意識の高まり、そこここに メイクアップも日常の風景
日本旅行を楽しむ中国人は年々増加していますが、せっかく日本に行ったなら色々と体験したいと考える人も増えています。また個人旅行も増えている現在、日本旅行の楽しみ方は画一的なものではなく、幅広くなってきています。
今週17位にランクアップしたのが「エステに行きたい」(前週26位)です。これには中国人女性の美容意識の高まりが一因に挙げられるでしょう。
昨今の美容意識の高まりを受け、中国でもエステサービスを提供する店舗は街中に溢れています。最近は1回のエステで600元以上(約1万円)するような高級店も多くあります。
また以前は電車に乗っている女性を見回しても、化粧をした人はほとんど見かけませんでした。それが、最近は企業に勤めるOLや学生に化粧をする人が増えてきているようで、街を歩いていてもすぐに化粧をした女性を見つけることができます。
▼中国の最新美容意識をSNSから調査!有力なKOLって?(有料会員限定)
【特集】中国美容事情(5) ~地域別、大事にされているケアを調査!美白、保湿、脱毛などの6ワードから~
【特集】「美人が派手に」だけじゃない!最新KOL事情(4) 2017年「美容」KOLトップ10!
まつエク新登場、台頭する中国美容サービスとの差別化がカギ
クチコミでは「日本の丁寧なサービスは行き届いていて快適」「美容に対するサービスは日本が優れている」など日本の美容に対しての評価は高く、「日本のエステを受けよう」という動機づけがあることがわかります。
一般層への美容サービスが普及し始めた中国と異なり、同分野で長年の歴史がある日本の美容サービスは非日常である旅行の楽しみの一つになっていることも考えられます。
韓国が美容整形の旅行プランを売り出しているように、美容サービスを組み合わせた日本旅行のプランが今後人気となっていくのではないでしょうか。中国国内のサービスとの差別化をどこに置くかがポイントとなっていきそうです。
今年の国慶節期間(10月上旬)には初めて「まつエクをしたい」がランキングに登場し、国慶節が終わった10月11日の週には50位以内にランクインしました。一方「美容院に行きたい」は以前10位以内に入っていることが多かったですが、先週18位、今週22位とランクダウンが目立ちます。
以前は訪日中の美容サービスというと「美容院」の一強であったのが、今はエステ、まつエクと選択肢が広がっているようです。まだランキングに出現していない「ネイルサロン」や「脱毛」といった美容サービスの今後の動向も気になるところです。
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