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【中国美女】第2回 日本の美容を極める!未来の「日中・美の伝道師」へ

Data

名前:李艶
年齢:33歳
出身地:河南省→大連(両親の仕事の関係で16歳から大連で暮らしました)
日本滞在年数:5年
職業:美容関連会社(営業担当)
取材スポット:六本木ヒルズ
理由:卒業した美容学校がここのすぐ近く。今もこの学校の大学院生として通学中


最先端の美容ノウハウを目指して日本へ!

ー今回紹介するのは日本の美容業界で働く河南省生まれの李艶さん。華やかな業界に身を置いていますが、そもそも日本に来たきっかけってなんだったんでしょう?

私は小さい頃からずっと美容に興味がありました。女の子はみんな可愛くきれいになりたいと思うものですから。

高校を卒業した後に中国有名な美容学校「蒙妮坦(※1)」に入学も考えましたが、若いうちに海外へ行って勉強してみたいという思いもあり、海外に行くことを決めました。

そのなかで日本を選んだのは高校の時、日本のドラマが大好きだったことです。美しい街並み、近代の建物や電車。ドラマ中の女性はきめ細かい肌に透明感のあるメイクとおしゃれなファッション。とっても憧れました。

それで5年前に来日、日本語学校が終わった後六本木にある美容学校に入学したんです。

在校中いろんなことを学びましたね。日本の先生は教え方もとても丁寧で、メイクアップ、髪のセット、ネイルアート、マッサージ、化粧品学などのエステティック全般に関する知識と技術。先生はきめ細やかなところまで教えてくれました。

 

ーちなみに勉強している時、留学生は李さん1人?

中国人の生徒が何人かいましたよ。

日本はアジアで医療最先進国、世界水準のエステティックを提供する国。そして「CIDESCO(シデスコ)(※2)」の加盟国。中国では取得できないこの資格が取れるんです。

私も在校中、「CIDESCO」に合格しましたし、「INFA(※3)」国際ライセンスも取得しました!

日本でこれらの資格を持っていれば、ヨーロッパ諸国をはじめ、世界各国で活躍することができる。もちろん中国国内でも高く評価されるんです。

 

※1 蒙妮坦:中国の美容の教祖と呼ばれる「鄭明明」が1966年香港で設立した美容学校で、1986年には中国大陸で初となる美容学校を開校。50年以上の歴史を有し、現在は深圳、広州、大連、上海など14都市に展開中。

※2 CIDESCO(シデスコ):世界で認められるエステティックの教育機関。他の短期間で取得できる資格とは異なり、資格取得にはハイレベルなカリキュラムを受ける、もしくは美容・エステ業界で規定年数の経験が定められている。優れた人材を多数輩出し世界的に高い評価を受けている。現在、世界で30ヵ国以上の国が加盟している。

※3 INFA国際ライセンス:国際エステティック連盟(INFA)認定エステティシャンの国際資格。EUでも同業界資格認定をINFAが行っていることもあり、世界的にも権威のある説得性の高い資格となっている。

ー今の仕事は?

今は美容関連の会社で営業として働いています。オーナーは中国人ですが、化粧品や美容機器の開発部門とエステサロンのスタッフは全員日本人です。日本人の仕事ぶりはとても慎重で真面目。正真正銘の「Made in Japan」ですよ!(笑)。

 

シワに悩む富裕層中国女性。決め手はカウンセリングよりクチコミで

ー営業として働いているそうですが、お客さんはどんな人?

化粧品と美容機器を購入するお客さんは中国の代理商が多いですね。

毎年東京ビックサイトのビューティーワールドでブースを出すのですが、その時には中国の代理商が買いに来るのです。

エステサロンのお客さんは、日本に住んでいる中国人のお客さんもいますが、95%が日本人ですね。

実はプチ整形目的で来日の中国人のお客さんもいます。

整形大国といえば韓国で、価格も安いですが、中国人の中では韓国での整形はちょっと信用度が低い印象があります。

日本のほうが多少高いですが、先進の技術と日本人の繊細さと慎重さにならお金をかけるのは全然問題ないです。

 

ー李さんから見て、中国の女性の美容に関する悩みって、どんなものが多いんでしょう?

多分ニキビ、たるみやシワとそばかすだと思います。

特に中国から来たお客さんは、収入高めで30代後半~40代以上の女性が多いので、顔のたるみとシワがとても気になります。口元のシワに効くほうれい線パックが人気ですね。日本の化粧品は成分的にもアジア人の肌質に合うので、安心して使えます。

それ以外に注射や金の糸を入れるといったプチ整形もあります。これは永久ではないので、お客さんは定期的に日本へ来て施術するんです。

あと感じたのは、日本のお客さんの消費は「合理的」。中国のお客さんは「トレンドに左右される」ということですね。

周りの知り合いやネットのクチコミを信用しすぎて、その商品や施術が自分に合ってるかどうかはあまり考えないのです。それと「高い=良い物」という考え方も根強いですね。

 

ー業界の人として、中国の人に勧めている化粧品、美容グッズは?

私は友人や親戚に具体的な化粧品とかは勧めないですね。いつも言っているのは「自分に合った(経済的に)無理のない化粧品を使って!」です(笑)。

なので、おみやげとしては割とサプリメントをよく買います。大手ブランドの納豆とかにんにくとかのサプリメント。見た目の美容とお洒落の後はやはり体と心の健康ですから!

それ以外だと、おみやげは北海道の生チョコと白い恋人です。

ーやっぱり、北海道のチョコと銘菓なんですね。

中国人は見栄を張る民族です(笑)。あまり知られてないものを買って帰るよりみんなが知ってるものを買って帰ったほうが安全!

だって、おみやげを貰った親戚はまた近所の人に見せたり配ったりするでしょ。もし知られてないものであれば、本当に日本へ行ったかどうか、親戚は日本に住んでいるかどうか証明できないじゃない。

変化の速い中国人。チャンスをつかむにはスピードアップ!

ー日本の美容から中国を見ている李さん、将来の夢は?

十数年前の中国では、中国女性はあまりお化粧しない、もしくはお化粧をしてもベースメークだけ、というのがほとんどでした。

でも、今は「濃い眉」と「赤い口紅」が大流行。そしてメイクが上手な人は「網紅(KOL)」になって有名になって、そして、それを見た人たちがみんなマネをしたくなる。なので、美容業界はこれからも中国でのビジネスチャンスが十分あると思っています。

 

ーそのチャンスをものにするためには何が必要だと思う?

今の会社が成功している理由は「スピード」だと思います。商品は「中国人好みの日本製」ですが、経営理念はとても「中国」的です。

社長もいつも決断が早いですし、いろんな新しいことをチャレンジして、結果が出なかったらすぐ方向を変えます。

中国は競争が激しいので、もし迷っていたら、その隙にほかの会社に追い越されていたかも。

 

ー今後も美容業界で?

そうですね。私は今の仕事がとても好きです、やりがいもあります。

現在、卒業した美容学校で夜間の大学院コースを週3回通っています。もっと化粧品の事を理解して、もっと美容に関する知識を深めたいです。

今後はもちろん、経験を生かして起業したいです!!