【訪日中国人】2018春節の傾向、どんなお土産を買って帰る?(4)~求めるのは「悩みから遠く離れられるモノ、コト」
トレンドExpress恒例の春節予測、ここまでは、春節の消費行動における予測を行いました。最後となる(4)では、昨年に引き続き80、90年代生まれの方々に行った、「春節の過ごし方」アンケート結果をお伝えします。
【アンケート実施概要】
実施期間:2018年1月
対象:80、90年代生まれの男女各50名づつに対し、新浪微博にてアンケートを実施(n=200)
春節の旅行者は高年齢化?
春節の過ごし方について、今年と昨年を比較して見ましょう。
2018年 | 2017年 | |
---|---|---|
帰郷 | 33% | 32% |
遠出しない | 38% | 31% |
国内旅行 | 21% | 27% |
海外旅行 | 8% | 11% |
国内、海外ともに旅行の割合は減少、遠出しないという回答が増加しています。年代別にさらに比較して見ましょう。
2018年 | 80後 | 90後 |
---|---|---|
帰郷 | 17% | 17% |
遠出しない | 21% | 18% |
国内旅行 | 9% | 13% |
海外旅行 | 4% | 4% |
2017年 | 80後 | 90後 |
---|---|---|
帰郷 | 16% | 17% |
遠出はしない | 14% | 17% |
国内旅行 | 13% | 15% |
海外旅行 | 8% | 3% |
90後には大きな変化は見られませんが、80後については、海外旅行、国内旅行ともに増加しています。この結果から、80後を中心に内陸部まで春節における旅行人口が広がりつつある一方、90後の若者はあえて春節には旅行しない人が増えているといった仮説も成り立ちます。そうなると、春節に旅行をする中国人の年齢層が上がっていくという可能性もありますので、こちらは春節後の振り返りで確認していきたいと思います。
中国旅游局と旅游研究所はCtripのデータを基に、期間中の旅行者数(国内・海外旅行)を「3.85億人」と予想していますが、その主力はすでに一定以上の経済力を身に着けた30代後半以上となるでしょう。
ちなみに、遠出しないと回答した方にその理由を伺うと、以下のような結果になりました。
1位 | 決めていない | 24% |
---|---|---|
2位 | 寝正月 | 24% |
3位 | 近くに出かける | 20% |
4位 | 買い物 | 17% |
5位 | 遊ぶ | 9% |
6位 | 大掃除 | 3% |
7位 | ゲーム | 1% |
8位 | 資格の勉強 | 1% |
昨年も1位は寝正月でしたが、「決めていない」という回答は昨年はランク入りしていませんでした。「決めていない」と回答した方に年代や性別の偏りはありませんでしたが、長期休みは何も考えずのんびりしたい、という方が中国国内で増えているのでしょうか?
ここには春節名物「春運(春節期の交通状況)」も影響していると思われます。今年の春節は2月16日ですが、その半月ほど前の2月1日から春節時期の鉄道チケットが販売スタート。販売所には長蛇の列ができ始め、なかには数日かけて並ぶ人も現れます。
広大な中国におけるもっともリーズナブルな移動手段は鉄道であり、近年は高速鉄道の増加など、選択肢も増えていますが、春節は中国最大の「国民大移動」であり、日本総人口の数倍が一度に移動するわけです。そのため、チケット購入はまさに戦い。ネット上には「一票難求(チケット1枚は求め難し)」などのつぶやきが、ため息とともに書きこまれています。
それをすこしでも改善するために、中国ではネットの活用が進められています。ネット予約などももちろんですが、広東省広州市では駅でQRコードを活用したネット販売システムを導入するなど、常に新たな試みが試されています。
また自動車の普及により、車で出かける、帰省する人も急上昇。2017年にも帰省ラッシュで大渋滞。「春節までに家にたどり着けない…」といったつぶやきがSNS上に溢れました。
さらに問題なのが、レストランなどでの深刻な人手不足。中国大都市のレストランで働くスタッフは多くが地方出身。そのため春節には帰省してしまう、中にはそのまま故郷で就職して帰ってこないなんて話をよく聞きます。そのため店は開いていても、店員も料理人も足りないため、料理を頼んでも出てくるまでずいぶん時間がかかった…などということも頻発しています。
もちろん「長期休暇ぐらいゆっくり休みたい」という思いもあるでしょうが、「春節に家族や友人と出かけたところで、大混雑やこうした不愉快な思いをするのであれば、家にいたほうがマシ」、といった思いがあると考えられるのです。
帰郷と言えばお土産、両親へ買いたいモノは?
帰郷と言えば、以前はお土産を大量に購入し、周囲に配りまくるといったイメージもありますが、最近はどうなのでしょうか?調査結果を見てみましょう。
お土産を配る対象(複数回答)は以下のようになっています。両親や親戚が中心ですが、買わないという回答もありました。お土産を大量に購入するという流れも薄れつつあるのかもしれません。
両親 | 54 |
---|---|
親戚 | 19 |
友人 | 15 |
買わない | 8 |
では続いて、何を購入するのか聞いてみましょう(複数回答)。
食品 | 51 |
---|---|
化粧品 | 19 |
医薬品 | 11 |
健康食品 | 10 |
玩具 | 3 |
服飾 | 1 |
やはりお土産として人気なのは、みんなで集まって食べるための食品が圧倒的ですが、化粧品や医薬品、そして健康食品も健闘しています。以前の特集でもお伝えしている通り、2018年に注目される「モノ」の1つが「コンドロイチン」や「グルコサミン」など、高齢者向けのサプリです。高年齢層の健康意識が高まる一方で、春節などには親や祖父母にこうしたサプリメントを送るケースが増えていることが、この結果からも読み取れます。
▼2018年、日本のどんなサプリが来る?
【特集】2018年は何がアツい?2017年の「買った」「買いたい」から探る(3)~中国の「疲れ目」には日本のサプリ
ちなみに、帰郷しない理由としては、遠出をしないと回答した方については「お金がかかる」が50人を超え、さらに「帰郷が面倒」といった意見が相次ぎました。この「帰郷が面倒」という回答には、もちろん移動が大変というニュアンスも含まれていますが、近年は帰郷する際「親から恋人の有無(結婚)について聞かれる」、「親に見合いをセッティングされている」ことに頭を痛める独身男女も多く、中には「春節限定、親に見せるため用彼氏・彼女レンタル」などがネット上に現れるなど、実家に帰ることへの複雑な思いが垣間見えます。
国内外旅行に出かけると回答した方は「旅行が好き」「春節は旅行に行くと決めている」といったポジティブな意見が目立ち、中国国内において旅行がレジャーの1つとして根付き始めていることが伺えました。
人気の国内外旅行先は?
最後に、国内外の旅行先について、回答をご紹介したいと思います。まずは国内の旅行先TOP5からです。
国内旅行先主な目的 | 主な目的 | |
---|---|---|
1位 | 北京 | 歴史、自然 |
2位 | 上海 | 観光、買い物、食事 |
2位 | 桂林 | 自然 |
2位 | 蘇州 | 自然、観光、食事 |
5位 | 広州 | 食事、買い物 |
5位 | 三亜 | 自然 |
昨年同様1位は北京ですが、上海は12位からのランクアップとなっています。この結果から、内陸部にまずは国内旅行が広がりつつあることが見て取れます。
海外旅行先については、タイと香港が1位、次いで日本、ベトナムと続きます。少数回答には韓国やシンガポール、欧米などが見られました。香港は昨年6位でしたが、距離的に近く言葉も通じるということで、旅行初心者が増えている結果なのかもしれません。
またベトナムは最近になって中国人観光客の目的地として注目されています。もともと中国人の東南アジア旅行と言えば「新・馬・泰(シンガポール・マレーシア・タイ)」でしたが、ベトナムは外交上の理由もあり、選択肢には上がってきませんでした。しかし、近年はベトナムも積極的に中国からの観光客を受け入れ、宣伝活動を行った結果、ベトナムツアーが人気になっているようです。
主なポイントは「南国の海」、「異なる民族文化」、そして「安い物価」です。中国消費者にとって南国の海のニーズは非常に高いのは周知の事実。ベトナムにも数多くのビーチリゾートがあり、透き通った海が人気を集めています。また上述の国内旅行の主な目的にある「自然」もポイント高し。
現代中国の大都市は現代的建築に囲まれた、まさにコンクリートジャングル。休暇の時にはそこから離れて、天然の自然風景に癒されたいと思う消費者が増えているようです。
まとめ
中国最大のイベントにして商戦たる春節。そこには非常に大きな消費が見込まれます。しかし、年代の変化によってその過ごし方も多様化を見せています。特に「春節ならではの悩み」やその「悩みから遠く離れられるモノ、コト」といったキーワードが今後の春節商戦を戦うカギになっていくでしょう。
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