【中国消費者】 中国消費者井戸端会議 第2回ダブルイレブンと小紅書、拼多多ってどうよ?
多様化していく中国消費者のニーズ。それを把握するためにもWeiboやWechatなどのソーシャルビッグデータは非常に有用なツール。それををより正しく分析するための情報をお伝えする「上海の消費者座談会」。上海でショッピング大好きな女性3人にご参加いただき、ECの使い方、情報の取り方、日本の商品についてまで、自由奔放に、好きなだけ語っていただいております。
今回は前回に引き続き、ユーザー目線での「ダブルイレブン(双十一 独身の日)」、そして今注目の「小紅書(RED)」についてお届けします。
今回の参加者
Jessicaさん(30代)
葛さん(20代後半)
KANAさん(30代)
▼前回の記事は
【中国消費者】 中国消費者井戸端会議 第1回~ECってどうよ?~
▼この記事のつづきは
【中国消費者】中国消費者井戸端会議 第3回 消費者が考える今後の中国の消費って?
勝負は事前に決まる。ダブルイレブンの戦い(消費者目線)
―さて前回でも少しお話ししたダブルイレブンだけど、皆さんや皆さんの周りの方々は、それについてお話しするの? ちなみに今年のダブルイレブンは日曜日だけど。
Jessicaさん(以下J):もちろん。ダブルイレブンは、当日のずいぶん前にショッピングカートに入れておくもの。
葛さん(以下G):そうそう。
J:あとは、以前にショッピングカートに入れておいたけど買わずにいたものを、ダブルイレブンの時を見計らって買うってパターンかしら。
KANAさん(以下K):Victoria’s Secretなんかはキャンペーンの時に「〇月〇日カウントダウン」というイベントがあるのね。ほしい人はそれまでにショッピングカートに入れておいて、11月11日当日は競争で購入していくわ。
J:ほかの国の女性は知らないけど、中国の「買い物好きの女性」はもう本当に「喪心病狂(クレイジー)」のレベルね(笑)。
ほとんどの商品って、11月11日0:00にならないとキャンペーン価格で買えないでしょう。そういう女性たちは目覚まし時計をセットして、その時間になったら一気に早い者勝ちで買っていくの。まるで車のナンバーを取り合うのと同じなのよ(※)。
K:中国のダブルイレブンって、アメリカの「ブラックフライデー」みたいよね。
J:もうそれ以上なんじゃないの(笑)。実は私、ブラックフライデーの時にも「美亜(アマゾン・アメリカ)」で早い者勝ちで買ったわ。
K:ブラックフライデーって、オフラインでもやっているのよね?
J:そうそう。
G:え~!お店にいって取り合うって、すごいわね。疲れちゃう。
J:アメリカのアマゾンは発送がゆっくりしてるのよ。あと、アメリカのアマゾンもショッピングイベントってやってなかった?何日だったかしら?中国のダブルイレブンみたいな感じのイベント。
※北京や上海などの大都市では自動車の増加による渋滞が問題化しており、その軽減策の一環としてナンバープレートの発行を抽選制にしている。
―要するにみんな事前にショッピングカートに入れておいて、時間になったら一斉に買うってスタイルだよね。
K:そうですね。
J:基本的に日常的にそういった商品はチェックしているわ。
G:日常!?
K:毎日見てる人はいるかもしれないけど、周りの人は遅くとも2週間前にはチェックしているわね。
J:中国のショッピング好きの女性って、TaobaoをチェックするのとWeChatのモーメンツやチャットをチェックするのが同じなのよ。要するに日常生活の一部分ってことね。
G:笑
―ぶっちゃけて聞くけど、ダブルイレブンって疲れない?
J:実を言うとやっぱり疲れるわ。私もそこまでショッピングが好きってわけではないから…。
K&G:同感~。
商品比較情報が魅力の小紅書(Red)
G:Taobaoで見てみるかな。化粧品を買うことが多いけど。
J:小紅書はいいよね。ユーザーの体験が多いのがいい。あと、やっぱり確かなのは友達に聞くことね。
K:私もそう思う。あとは大きな広告かな。
J:そうね。広告を信じるっていうよりは、大手ブランドの場合、そのブランドへの信頼っていうのがあるから。
G:これだけ広告を出せるのは実力があるからなんだろうなって。
J:でも、ひとつのブランドでもたくさんの商品を出してるケースってあるじゃない?その場合はやっぱり友達に聞くわよね。
私の友達にもいるんだけど、海外の商品が好きで、同時に「いろいろな商品を試す人」。まるで自分をモルモットみたいにしていろんな商品を試しているんだけど、そういう人に「ねぇこの商品どうなの?」とか、「コレとコレにはどんな違いがあるの?」なんて聞いて、自分の欲しいものと合っているなら買うようにしてる。何人かの顧問専門家を雇ってる感じね(笑)。
J:友人のなかでも日本が好きな人がいて、行けばとにかく「買い物」。その人は自分で何か欲しモノがあるってわけじゃなくて、何か新しいものがあったらすぐ買うって感じ。そして買ったら試す。
G:すごい勇気ね。
J:日本のモノって安全だから「死ぬことはないし」って(苦笑)。
K:中国にはないものが多いから、ちょっと見たことないものでも新鮮度合いは高いのよね。日本のモノってすごくディティールにこだわってるじゃない?中国はどちらかっていうと外観、パッケージを気にするのよね。
J:そうね。あとは日本と中国って同じアジア人でしょ。皮膚の質も似ているから使っても違和感はないと思う。だから日本の商品を買うときは友達に聞いたり、小紅書見たりで十分かな。でも欧米製品は、「ひょっとしたら…」っていうのはあるから、もっと深く調べないといけない印象ね。
―さて小紅書の話が出たけど、ほかのネット情報との違いって?
J:小紅書の情報を参考にしたり、そこで買ったりするのは、やっぱりアップされている情報が真実に近いというところがあるからかな。
書いている人のほとんどは「網紅(KOL)」。この人たちの特徴って、さっきの私の友達とおんなじで「試すのが好き」な人で、同時にそれを「書くことが好き」な人たちなのよね。
人気の人や人気になりたい人のほとんどは自分が使った体験をアップしていく。
G:その体験に真実味があって、説得力がある人たち。単なる宣伝文句と違って、(実際に試しているから)言っていることに根拠がある。だから信頼度が高いってことね。
J:そう。単純に「これいいよ」っていう人たちと違って、例えば「この成分は何で」、「保湿効果があるもので」、「どのくらい効果が続くのか」っていう情報をアップしてくれるのがうれしいわね。
それと、信頼できる小紅書の情報って、確かに広告目的の内容もあるけど、すごくたくさんの商品を比べて紹介しているところかな。
ブランド名は出すけど「これは使ってみたら少し乾燥してきた」とか「こちらの商品は比較的潤いが出てきた」とか、一つの商品を紹介するのじゃなくて複数の商品と使用感を比べて教えてくれるところだと思う。
G:そうね。それだったら、見終わった後で自分に合ったものも選べるものね。
もう一つの中国EC新プレーヤー「拼多多」の使い方は?
―小紅書と同じくらい注目されているのは「拼多多」だけど、こちらはどう?
J:ダメね。ニセモノ売ってるサイトだもん。だからあそこで買ってるのはほとんどオバさんやママさんたち。
K:そうそう。要するに「とにかく安いモノ」を求めている人たちね。
G:そうね、わたしもたま~に見るくらい。
K:でも確かに「安い」っていうことが好きな人たちも多いわよね。
J:実際、さっき言った「オバさん市場」って大きいじゃない。私たちなんて自分のモノしか買わないけど、オバさんたちは家族で使うものを買い込むわけでしょ?
―笑。たしかに。そうするとやっぱり使うとしても日用品が多いのかな?
J:そうなの。でも、このサイトの情報をSNSとかで共有して、一緒に買う人を探しているのって「90後」とか「00後」とかが多いの。なんでかっていうと、家で(家事を仕切っている)お母さんやお祖母ちゃんに頼まれてやってる人が多いみたい。だから、「一緒に買う人を募集してる商品」ってインスタントラーメンとかお菓子とか、明らかに「家族用に買っている」商品が多いのよ。
K:あ~、ニセモノ買っても大した損害は出ないやつね(笑)
―まだまだ続く座談会。次回のおとどけは消費者目線から「ネット消費」の今後についても語っていただきました。