中国トレンドExpress

【中国社会】中国出生数が急減少? その理由はどこにある!?

正月気分も過ぎ去って、本格的に業務が始まった1月半ば。

編集長「いや~臘梅が咲いたか~。雪中四花。オレっちも寒さに負けんように頑張らんとな~。」

と散歩を決め込む編集長。すると、またまた遠くから寒さという言葉すら知らないのではないかと思える編集Aが、例の如く爆走してくる。

 

編集A「変酋長!タイヘンです!」

編集長「お前、字が違ってないか?」

編集A「イチオー会話してることになっているので、その辺気にするのやめません?」

編集長「(ちッ)で、何が大変なんだ?」

編集A「日本の各大手メディアで中国の出生数を報じていたんですが、一人っ子政策が緩和されたのに、2018年の出生数は過去30年で最低レベルだったらしいですよぉぉぉぉぉ!」

【グラフ】中国の出生人口の推移

出所:中国統計局のデータを基に中国トレンドExpressにて作成

編集長「…それ、オレたちが驚くべきことかね?」

編集A「……。大きいメディアが驚いてるんで、なんか、一緒に驚いた方がいいかなーって。」

「一人っ子政策緩和=人口増加」にはならない!

編集長「この話、ずいぶん前から言ってなかったか?」

編集A「言ってましたね。」


▼参考記事
爆買い再びにつながるか? 中国政府、個人所得税含めた大減税へ!
【中国子育て】中国女性のお悩み相談室(5) ~母としての出産・子育て、大切なのは…?


編集長「だから、いきなり増えることはないってずいぶん前から言ってたのに~。」

編集A「しょうがないですよ~。だって…。」

編集長「なんだ?」

編集A「いえいいです。でもやっぱり子育て大変なんですかね~?」

編集長「大都市ではな。」

編集A「原因ってなんなんでしょうね?」

編集長「いろいろあるが、まずは高考(大学入試)だな」

編集A「あ~学習のプレッシャーですね?でもそれって、子どもに対するプレッシャーじゃないんですか?」


日本の「学歴社会時代」をはるかに超える学歴重視の中国では、大学入試の成否に人生がかかっています。しかし、近年は子供の学習に関するプレッシャーが問題視されています。その理由の一つになっているのが、親への負担にもなっていること。

何かといえば「宿題対応」。

子供の成績を上げるために、多くの学校では多すぎる宿題を課しています。その量たるや、小学校低学年でも深夜12時までかかって終えるというケースも。

しかし、子どもの集中力など知れたもの。遊びたいという気持ちが優先します。そこで、多くの場合、母親がつきっきりで宿題の監督・指導を行うのです。

ある上海在住で中国人配偶者を持ち、地元の学校に子供を通わせている日本人は「子供が小学校に入ったら、共働きはあきらめたほうがいい」とも言っていました。

どちらかが仕事を辞めて子供の勉強につきっきりになっていないと身がもたない、ということらしいです。


▼関連記事
女性のお悩み番外編~宿題は毎日3時間!耐える子供と苦悩する母(1)


編集A「ひょえ~。これじゃお父さん、お母さんも大変ですね。」

編集長「まったくだ。これだと、どっちの宿題かわかりゃしねぇ。」

親の涙。育児・教育費用もバカにならない。

編集長「もう一つは、子どもにかける金がバカにならん。」

編集A「そこですね。」

編集長「金がかかるのは子供が生まれる前から始まる。日本のベビー・マタニティグッズが人気になっているのはその質の高さ。しかしその価格は同じ商品でも日本の1.5倍以上、中国国内製品と比べると倍以上の金額。さらに中国企業も売れる商材だから、値段を高めに設定する。結果、新生児~未入園児にかかる費用はうなぎのぼりになる。」

編集A「そこでかなりバテそうですよね。」

編集長「中国で子育てしていた夫婦が日本のドラッグストアに来て、その安さに驚いたっていうぞ。1万2000円使って、両手に袋いっぱい買い込んだんだが、中国では輸入粉ミルク2缶分ぐらいにしかならない金額だからな。」

編集A「なんか、中国=安いって、はるか昔の話ですもんね。」

編集長「で、大きくなれば習い事に通わせたりと、いろいろ子供にやらせるが、その費用も大きいだろ?」

編集A「確かに。大都市の子供ってほぼ確実にピアノやってます。」

編集長「その辺の月謝も大変だし、またそういうのをやらせると、習い事の成績アップのために親がつきっきりにならねばならない。」

編集A「え~、そうなんですか?」

編集長「そうだ。ピアノ〇級に受かったなど、親同士でも競争感が芽生えてしまうからな。あと、めんどくさいのは日本には絶対にありえない“学校の先生への付け届け”だ。」

編集A「先生に付け届け?それってワ〇ロなんじゃないですか~?」

編集長「まぁ、そう言えなくはないし、そういった行為を規制する動きになっているが、まだまだ残っている。特に毎年10月5日の世界教師デーには、教師への感謝のしるしを送るのが習慣になっているから、それも出費に上乗せされる。それに、教師が子供に強制的に自分が講師として受け持つ補講を受けさせて、補講料を取る教師もいる。」

編集A「そんなのアリなんですかね。」

編集長「そもそも、中国の教師って日本と違って公務員じゃない。だから自分の収入を増やすのに一生懸命になる。親もそれで子供の成績が上がる、もしくは教師に目をかけてもらえるなら…となるわけだ。」

編集A「なるほど~。教師にも子供がいるから収入増やさないとですもんね。」

 

編集長「そういうことだ。総じて言えば、中国では子供を育てるのに極めて多大な経済的・身体的プレッシャーがかかる。それを考えたら“2人目…ムリっしょ”と判断する親が多いってことだ。」

編集A「なんか不動産ローンとか景気後退が原因か、とか言われてますけど、もっと現実的な原因があるんですね。」

編集長「そこまで視線を合わせれば色々見えてくるんだがな。」

こんな中国キッズ市場、日本企業にチャンスは

編集A「でも、子どもが増えないんだったら、日本企業にとっては市場価値なくなっちゃうんですかね?」

編集長「そんなことはないと思うぞ。まだまだスペースが残っている部分もある。」

編集A「残っているスペース?」

編集長「うむ。たぶんそれは教育だと思う。」

編集A「なるほど、編集長ご自身に一番足りていない分野ですね!」

編集長「何が言いたいのかな~?Aくん。」

編集A「で、教育分野ってどこになりますか?」

編集長「…。例えば知育。とはいえ中国で売られている知育玩具の多くは欧米製で、そのシェアは動かしにくい。ただ、日本お得意のアイディア商品で売り込めば活路はあると思う。」

編集A「アイディア商品ですか?」

編集長「そう。例えば科学反応で色が変わるお菓子!こういった、楽しいし、食べられるし、しかも勉強になる、といった商品は日本の強みだ。」

編集A「あ~、あれ楽しいですよね~。」

編集長「あと、最近の若い親からは日本の教育、特に心を育てる教育に対するイメージも悪くないから、そういった部分もきちんと商品化できれば商機はあるんじゃないか。」

 

編集A「編集長…、風邪ひいたんじゃないですか?ずいぶん真面目に話しますけど。」

編集長「なんでだよ!」