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【春節訪日観光】中国人訪日客が欲しい商品は?日本で楽しむ買い物体験

春節ももう目前。すでに農歴上は「小年(旧暦12月23日もしくは24日。竈の神を祭り、家を掃除し、正月の準備をする日。習慣は地方により異なる)」も過ぎ、年越しシーズンに入っています。

この春節、中国消費者はどんなものを欲しがっているのでしょうか?トレンドViewerの機能を使って分析してみました。

▼前回は
【春節訪日観光】 「モノからコトへ」ってホントなの? 変わる中国訪日客のニーズ変化をチェック


春節で買いたがっているもの

前回の記事”「モノからコトへ」ってホントなの? 変わる中国訪日客のニーズ変化をチェック”では、中国訪日観光客の旅の目的が変化しながらも、「日本で買い物をする」という体験に対しては変わらない人気が集まっていることを確認しました。

では、春節シーズンに中国訪日観光客は何を買いたがっているのでしょうか。トレンドViewerの機能を駆使して、中国消費者が春節の予定を考える時期、2018年第4四半期の「買いたい」データを集計してみました。

【表1】2018年第4四半期「買いたい」ランキング

順位 アイテム名 ブランド
1位 ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ 伊勢半
2位 DHC メリロート DHC
3位 香りつづくトップ ライオン
4位 お菓子(スナック菓子、チョコ菓子、キャンディー等) 多ブランド
5位 ファンケル ブルーベリー ファンケル
6位 アンナザルベ・エース エスエス製薬
7位 薬用ハンドエッセンス(コラーゲンウォーター配合) エフティ資生堂
8位 無印良品 文房具 良品計画
9位 雪肌精 コーセー
10位 キティーちゃんグッズ サンリオ
11位 GOO.N やわらかフィットパンツ 大王製紙
12位 サンテ ボーティエ 参天製薬
13位 ベビーカー 多ブランド
14位 ホワイトラベル 贅沢プラセンタのもっちり白肌パック ミックコスモ
15位 コスメデコルテ 化粧液 コーセー
16位 サンテPC 参天製薬
17位 フレッシェル クリアソープN カネボウ化粧品
18位 腕時計 多ブランド
19位 Je l’aime(ジュレーム) / AM シャンプー/トリートメント モイスト&スムース コーセーコスメポート
20位 東京ラブソープ コスメティーク レゾネ

ちなみに前年、つまり2017年の第4四半期では下のような結果でした。

 

【表2】2017年第4四半期「買いたい」ランキング

順位 アイテム名 ブランド
1位 ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ 伊勢半
2位 無印良品 文房具 良品計画
3位 雪肌精 コーセー
4位 東京ばな奈 グレープストーン
5位 ワコール 女性用下着 ワコール
6位 DHC メリロート DHC
7位 CCクリーム エアリーフィニッシュ リミテッドキット リンメル
8位 CASIO BABY-G カシオ計算機
9位 薬用ハンドエッセンス(コラーゲンウォーター配合) エフティ資生堂
10位 GOO.N やわらかフィットパンツ 大王製紙
11位 お菓子(スナック菓子、チョコ菓子、キャンディー等) 多ブランド
12位 オペラ マイラッシュ イミュ
13位 ベビーカー 多ブランド
14位 サンテPC 参天製薬
15位 腕時計 多ブランド
16位 パフ・スポンジ専用洗剤 大創産業
17位 象印 魔法瓶 象印マホービン
18位 クレ・ド・ポー ボーテ 美容液キット 資生堂
19位 サンテ ボーティエ 参天製薬
20位 アトピタ保湿しっとりクリーム 丹平製薬

トップは相変わらず伊勢半の「ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ」。その使いやすさ、耐水性などが評価され、中国で人気が高い商品です。


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生活全体のレベルアップ願望。高級化粧品の競争も苛烈に

ここで注目されるのは、2018年Q4の3位にランキングしている「香りつづくトップ」。洗濯洗剤が買いたいものランキングの上位に入っています。

洗濯の際に、洗剤の心地よい香りが長続きすることが注目され、中国消費者の興味が高まっているようです。

また中国でも数多くの洗濯洗剤が売られていますが、洗浄力に関しては強化されているのですが、「香り」にまでこだわった商品がほぼ無いというのも背景にあるようです。


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ただ、こうした点から見えるのは中国消費者のコダワリが、「いい化粧品を使ってきれいになりたい」、「美味しいものを食べたい」といった部分から、これまで気に留めていなかった生活の細かな部分にまで広がっていることを感じさせます。

 

高級化粧品では2017年では「クレ・ド・ポー ボーテ 美容液キット」がランクインしていますが、2018年には姿を消し、かわって「コスメデコルテ 化粧液」が15位に登場。こうした市場では消費者の目の先の商材が変化しており、その変化の先を確認していくことが重要になっています。

カギは体験と「お買い物リスト」に入るか否か

さて、こうした訪日観光客のお買い物ニーズ。前回も述べたように、ここでは体験型の要素が大きく影響します。

中国の消費者にとっては日本の商品、特に「自分で使う物」に関しては、「日本人が使っているのと同じ商品を、同じサービスで買う」というところに価値を感じるケースが多くあります。

つまり、日本の一般消費者が日常的に利用するドラッグストア、もしくは百貨店で、日本人に対して行われているものと同じサービスを受けつつ買い物をしたい、という点です。

代表的なのが百貨店化粧品販売におけるカウンセリング。肌質などを細かくチェックし、それに最適なものを提供してもらうといった体験でしょう。とにかく「一番いいもの」を求める中国消費者は、買い物に付随するサービスにおいても「一番いい」サービスを受けたいと思っているようです。

 

ただ、同時に日本に旅行に来ると、家族親戚や同僚からいろいろなものを「頼まれ」ます。結果、非常に幅広い商品を買う必要があり、これらを含めてお買い物リストが作成されるのですが、そこにはメーカー、ブランド、シリーズ、商品名および型番(色)などに至るまで細かい「指名買い」となります。

例え商品名が合っていても、型番が違えば「買わない」ということがほとんど。そのため、お買い物リストの先読みをしようとするなら、こうした細かな商品名まで把握していく必要があるでしょう。