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【セミナーレポート】中国市場攻略の第一歩!SNS活用事例 ~中国SNS運用の胆とは~(4)人気再興の微博(Weibo)とこれからのKOL

中国SNS運用の胆、最後の1編です。こちらでは微博(Weibo)の活用事例と、これから必要とされるKOLはこれまでのKOLと何が違うのかについてみてみます。

【事例】微博(Weibo)を選んだ化粧品メーカーの場合 ~予算の内訳まで赤裸々に!

さてここで微博(Weibo)の活用から売り上げを倍増させ続けている化粧品メーカーの例をご紹介します。

この日本企業は、中国市場での売り上げ増を目指して、微博(Weibo)の活用を決めました。予算の関係で微信(WeChat)も微博(Weibo)も、というわけにいかなかったので、一方に注力することに決めました。

日本では微信(WeChat)の隆盛が注目され、微博(Weibo)は衰退しつつある…というようなイメージが広がっているきらいもありますが、実際には微博(Weibo)もまだまだ影響力を持っていて、この企業はそれをご存知だったといえます。

数字でいえば、広告予算の90%を微博(Weibo)でのプロモーションに投入し、結果として2013年以降、売り上げは倍増を続けています。

この企業が微博(Weibo)を選んだ決め手は、ECサイトの「タオバオ」に直接行けるという点です。微信(WeChat)からタオバオへは直接リンクできないことになっています。それぞれの運営会社の関係なので、今後変わるかもしれません。

このケースで微博(Weibo)を利用したプロモーションが成功した要因は以下の3点です。

 

KOLは自社で探す

KOLを代理店にアサインしてもらうと、「依頼主のため」ではなく「代理店のため」になるようなKOLが選ばれることがあります。このリスクを避け、自分の目で商品の良さを紹介してくれるKOLを探すことが、自社製品にマッチしたファン獲得への、ひいては売り上げへと続く第一歩です。

微博(Weibo)での予算の使い道は、実は広告費が10%。KOLを『探す、交渉する』そして『発信してもらう』ことに90%を投じています。それくらい、KOLの存在は重要です。

【KOL】
KOLはキー・オピニオン・リーダーのことで、インフルエンサーとも呼ばれます。多数のファンを持ち、その発言や行動、ライフスタイルがファンに影響を与えるような人物を意味します。

コンテンツは気軽にみられるものを発信する

SNSで発信するコンテンツは「気軽にみられるもの」である方が、ユーザーの通読率が高まります。ベストな頻度は、週二回ほど。コンテンツにインパクトがあれば、2日3日と記憶に残るので、企業情報を毎日発信するよりもファンの心をつかむことができると言えます。

 

リアルのイベントと実施の頻度を固定化する ~月に小4大1が理想

中国でのマーケティング活動で重要なのは、SNS上の発信とイベントに終始せず、リアルのイベントを開催することです。頻度を固定化すればファンが付きやすくなります。

イベントはマーケティングにおいて副次効果があります。イベントの告知、内容をSNSのコンテンツに使いまわせるという点です(この記事もそうですね)。これだけで更新頻度があがります。

イベントの実施頻度の黄金比は月に小4大1です。映画館でも月に一回、だれでも安くなる日があって、そのほかに女性だけ安くなる小さなイベント(レディースデー)があります。SNSでの発信は、いいコンテンツであれば週に二回でも十分でしょう。与えたインパクトが大きければその分記憶に残っているからです。

これからのKOLは美人じゃなくてもいい。オケージョンを追求することも必要。

KOLや網紅(ワンホン)は、日本的な感覚でいえば「なんだか派手できれいな女の人」というイメージだと思いますが、実はこのトレンドは降下していくと予想されます。自社商品のターゲットとなる消費者が好きなもの、例えば「写真」、「アニメ」…そういった分野の情報を、感度高くつかみ発信しているアカウントが、これからの日本企業にとってのKOLや網紅(ワンホン)となっていくはずです。

加えて、動画も含めこれからの広告は、「どういう状況で使っているか」というオケージョン(状況)の表現が必要になります。このオケージョンの表現には、情報発信プラットフォームの側面が強い微博(Weibo)の方が適していると言えそうです。

PGCも人気です。「文章よりも視覚で魅せる」というスタイルが受けています。

 【網紅(ワンホン)】
網紅(网红:ワンホン)とは網絡紅人(网络红人:ワンルオホンレン)を略した名称であり、「ネット上の人気者」を意味します(※)。一般人でありながらSNS上での活動を通じ多数のファンを獲得した人物をさします。KOL(キー・オピニオン・リーダー)の一種とされますが、ネット上での活動がメインと認識されています。

【PGC】
PGC(Professionally Generated Contents)は「プロによりつくられたコンテンツ」のことで、企業や媒体といった組織が生成する動画などのコンテンツを意味します。対義語にUGC(User Generated Contents)があります。

 

まとめ

中国人消費者はなんと言ってもものすごい数存在するので、自社製品のファンやファンとなりうる「ターゲットの絞込み」と「表現」がこれからの中国市場を押さえるキーワードになっていくでしょう。

以上、全4回にわたって中国SNS活用の胆を解き明かしてきました。微信(WeChat)と微博(Weibo)の事例から、中国で旬なプロモーションのスタイルが見えてきたのではないでしょうか。

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