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【特集】もうすぐ夏休み!今夏の消費動向を予測(3)~「行った」ランキングの急上昇スポットから訪日中国人に刺さる要素を探る

6月後半の特集では、夏休みの消費動向予測についてお届けしています。ここからは、「行った」「〇〇したい」ランキングから、コト消費の行方を探ってみたいと思います。

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2年間の「夏」行ったランキングの変化は? ~2016年にはすでに強豪TOP3の顔ぶれが出そろう

では早速、2015年、2016年夏の「行った」ランキングを見てみましょう。

訪日中国人の「行った」書き込みランキング

  2015年夏 2016年夏
1位 浅草寺 沖縄
2位 銀座 心斎橋
3位 秋葉原 清水寺
4位 マツモトキヨシ 道頓堀
5位 LAOX 札幌
6位 心斎橋 銀座三越
7位 ヨドバシカメラアキバ 黒門市場
8位 東京スカイツリー 渋谷
9位 清水寺 祇園
10位 鹿苑寺金閣 浅草寺

※対象SNS:新浪微博
期間:2015年は7月1日から9月1日までの9週間、2016年は6月29日から8月30日までの9週間で集計

2015年にはTOP10圏外だった沖縄が、2016年には1位となり、その後首位の座をキープしています。

トレンドViewerで直近(5月31日~6月6日)のランキングTOP3を見てみると、やはり1位は沖縄、2位清水寺、3位札幌、となっており、2016年の夏とそこまで大きな傾向の違いはないようです。沖縄や関西方面の人気は根強いと言えるでしょう。

DMOの取り組みが奏功? 「行った」ランキング急上昇の5スポット

「行った」の書き込み件数ランキングは、上位にはなかなか変化の現れないフェーズとなっているようです。上位ランクインとはいかないものの、インバウンド旅行客の地方分散化や多様化の進む中で、書き込み件数の変動の大きいスポットに注目することには意味があるのではないでしょうか。上昇後、上位ではなくとも定番化という道もあるかもしれません。

直近で書き込み件数が急上昇しているスポットは、トレンドViewerの新機能を使って簡単に確認できます。直近(5月31日~6月6日)の「行ったランキング」上昇率TOP5はどのような結果でしょうか? 編集部にて確認しました。

 

「行ったランキング」上昇率TOP5(期間:5月31日~6月6日)

1位 松坂屋(308位→125位)
2位 富山(69位→31位)
3位 松山城(116位→53位)
4位 大覚寺(88位→41位)
5位 サンリオピューロランド(105位→50位)

 

1位は松坂屋、2位は富山、3位が松山城、4位が大覚寺、5位がサンリオピューロランドとなりました。

3位の松山城のある愛媛県松山市では訪日外国人対策も進みはじめているようです。また愛媛県を含む7県で構成される「せとうちDMO」の動きも活性化しており、関連ニュースがよく見られるようになっています。このような動きが、ランキング結果に現れているのかもしれません。

参考:
愛媛県、県内外国人宿泊客を20年に29.7万人に 計画を上方修正(出典:日本経済新聞電子版)
瀬戸内に黒船 米大手が民泊で開く、訪日観光の後進地(出典:日本経済新聞電子版)
松山でホテル建設次々 外国人・個人顧客増に対応(出典:日本経済新聞電子版)

急上昇のスポットについて、新浪微博のユーザーはどのような書き込みをしているのでしょうか? 名古屋の松坂屋にはひつまぶしを商標登録もしている「あつた蓬莱健」の名古屋店があり、この店舗の写真が複数見られました。またGINZA SIXの建設地として銀座の松坂屋の名前があがっており、こちらでは展示されている芸術作品や、地下三階での能楽観賞について言及されていました。「食」「芸能」「芸術」への関心が順位上昇の原動力となっているようです。

「富山」については特産の白エビを食事処で注文したことや、「富山市ガラス美術館が素晴らしすぎる」という内容が見られました。「松山城」にはその眺めの良さやリフトについて言及するクチコミがありました。ここでは「食」「芸術」、加えて「自然」といった要素が作用しているようです。

中国全体を見れば海鮮が食べられる地域は限定的ですし、油を多く用いた食事が多いため、日本ならではの食事は魅力的に映っているのかもしれません。また「芸術」や「自然」といった心を動かす作品、景色は当然ですが旅の醍醐味です。書き込みからは、これらの魅力が訪日中国人の旅の満足度を高めている様子が確認できました。当たり前ですが訪日中国人が日本旅行に求めるのは、こういった古典的な「旅の醍醐味」である場合もあるようです。観光客誘致のための情報発信に、活かしていきたい目線ではないでしょうか。

 

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