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【セミナーレポート】「山下智博」が刺さる!中国人ウケするクリエイティブ(5)中国人消費者の目を引くPGC 、徹底的な挑戦が成功への第一歩

「日本のもの」というだけでは売れなくなってきた中国市場では、自身の特徴を「突き抜けた表現」で訴求すること、その特徴に「消費者の共感を得る」こと、という一見相反する要素が混在することが、ひとつのポイントとなっています。

 

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【セミナーレポート】「山下智博」が刺さる!中国人ウケするクリエイティブ(2)中国人と日本人の感度の違い

【セミナーレポート】「山下智博」が刺さる!中国人ウケするクリエイティブ(3)能動的受容「自分事化」を意識したプロモーション

【セミナーレポート】「山下智博」が刺さる!中国人ウケするクリエイティブ(4)「自己肯定感」と「自虐」、突き抜けた作品が中国人の心を打った

 

最終回となる今回はコンテンツの制作における現在の潮流について解説したのち、中国人消費者に刺さるクリエイティブコンテンツのエッセンスを総括します。

これからは「PGC」、「UGC」との違いは?

今や情報拡散に欠かすことのできないインターネット。その中で流行のスタイルを押さえることは、コンテンツの拡散のためには欠かせないポイントとなってきます。

既にご存知の方も多いと思いますが、中国でクリエイティブコンテンツを作る際に押さえておくべきキーワード2つに改めて触れます。

UGC:ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ

サービス内に投稿される一般ユーザーの動画や静止画といったコンテンツのこと。

例えばアイドルたちが自身で生配信している『Showroom』というライブコマース、『クックパッド』や『食べログ』、これらはすべてUGCと分類されます。

PGC:プロフェッショナル・ジェネレイテッド・コンテンツ

「プロによりつくられたコンテンツ」のこと。企業が今までテレビなどのマスメディア向けに使っていた広告予算をインターネットで発信するコンテンツ制作に向け投下し始め、ニッチなターゲット層にも届くコンテンツが作られています。これらが「PGC」と呼ばれています。

作品内では「商品の宣伝」に主眼を置かず、ネット上で人気のあるKOLが出演したり、バラエティ番組を模した形式で、映像コンテンツとして楽しめるという要素が強くなってきています。

なぜ「PGC」が注目を集めるようになったか

中国の動画サイトで「KOL」と呼ばれるインフルエンサー達が自身の動画(UGC)を配信するようになってからしばらくたちます。トップのKOLはそれを主な収入源とできるほどの市場に成長しています。一方で、こういった動画はすでに新鮮さという魅力の一つを失いつつあります。中国人消費者の気持ちは少しずつ離れつつあるようです。

そこで、UGCに替わり現在は「PGC」が注目を集めることとなりました。

UGCとの違いはその名の通り「プロの制作者が作ったコンテンツ」です。(2)で紹介した『绅士大概一分钟』(紳士の大体1分間)もこちらに分類される動画コンテンツです。

加えて、ECサイトとの連携やライブコマース機能により、新たな市場価値を生み出しています。


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まとめ ~成功のためのポイントは「徹底的な挑戦」

スマホをのぞき込む若者たち

これまで見てきた通り、クリエイティブコンテンツを中国人消費者に「刺さる」ものにするためには、以下の4つの点が重要です。

1.ターゲット消費者のインサイトやツボを理解する

2.徹底的に「自分事化」できるコンテンツにする

3.決して迎合せずに自分らしさや自社らしさで「突き抜けた」コンテンツにする

4.失敗を恐れずチャレンジしてPDCAを回す

インサイトを踏まえ「こうすればうまくいく」という仮説を立てること、そして中国特有のインターネット事情を踏まえ発信を続けること、「突き抜けた」表現を採用することが、中国市場での「刺さるコンテンツ」創出の第一歩となります。

インターネットの発信では、「炎上」という現象にぶつかることもあるかもしれません。しかし炎上や失敗を経験したあとに、発信をやめてしまう必要はありません。

試行錯誤を繰り返しながら、自分たちの好きなこと、表現したいことを突き詰めていくことが中国人の心をつかむクリエイティブコンテンツの創出につながります。

インサイトの研究、中国特有のインターネット事情の情報収集が中国市場での成功を左右します。今後もトレンドExpressでは中国向けマーケティングセミナーを始め、オンラインの中国トレンドExpressで最新の現地動向を伝えてまいります。どうぞご注目ください!

 

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